最高益の折り返し 岡谷鋼機 10月16日 (2019.10.15)
今年後半から上昇運
東京五輪後ビジネスチャンス
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岡谷鋼機(7485)は確り。連結最高益の折り返し。通期計画通りだ。主要メディアの行き過ぎた不安報道に馴染まず差し引き堅調。後半乗り切る見通し。リーマンショックから10年余り。純利益は過去最高益を更新。11月に創業350周年を数え、中期計画Gih-2020(連結売上高1兆円、純利益200億円)を射程圏に捉えた。前半2.9%減収(5.2%営業減益)だが、産業資材が3.4%増収(21.5%営業増益)と健闘。鉄鋼や情報・電機の落ち込みを大半吸収し、営業外の収益改善もうかがえる。産業資材の場合、自動車のほか航空機関連が続伸し2、3年急拡大。設備・工具から特にエンジン関係が拡大した。400周年の仕込みとみられる。5G(第5世代移動通信システム)に向けAI人材育成、現場のアップデートに意欲。Gih-2020実現に向けてうねりが伝わってきた。中国の拠点が11月寧波事務所(予定)を含め13。政治的問題を抱えながらスケールの大きな市場で、現在4拠点のインドと並ぶフロンティア。米中対立やブレグジット、香港デモなど受け入れ、市場を通じて消化・吸収を図る構えだ。Gih-2020 に盛ったグローバル(海外取引拡大)、イノベーション(先端商品-技術に挑戦)、ヒューマンリソース(人材育成)の3本柱でグループの総合力を発揮。各国と各地域の発展に貢献できるよう取り組むほか、企業の社会的責任を担うため、地域の教育支援、行事等の参画など社会貢献活動でもグループ一丸。トヨタ(7203)グループに似ている。「ものつくり」によるものでメーカー支援の賜だ。自動車に続く産業と5Gをこなす人材の育成が急務。Gih- 2020の結果が次の足場と考えられる。
2020年2月期(連結)は、売上高9600億円(1.2%増)、営業利益220億円(4.9%増)、経常利益260億円(4.0%増)、純利益180億円(9.1%増)の見通し。配当230円(中間110円)の予定。設備投資61億円(前期30億9300万円)の計画。前期の国内取引67.7%(10.7%増)、海外取引32.3%(12.9%増)。海外35%がGih- 2020の目安だ。国内のほか海外でも稼ぐ体質に変わり始めた。今年後半から上昇運。岡谷社長(75)も同運で東京五輪後に弾み。ロサンゼルス大会(2028年)直前まで続く見込み。何が起きてもビジネスチャンス。「自分磨きに力を入れる」のが趣旨になっている。1995年の上場から4半世紀。名古屋の名門といわれながら、オープンな人材登用により連結最高益更新。中興の祖といわれる9代目(岡谷惣助真倖)のひ孫が現社長だ。前回、延べ10項目の記念行事に触れたが、来年2月8日のチャリティーコンサート(愛知県芸術劇場コンサートホール)が奮っている。外部から出演者を呼びユニークな趣向。10月20日から一般発売(税込1000円)を開始する。入場料全額に同社が同額のギフトを加え寄付するという。