化ける公算が大きい
次世代ビジネスモデルの仕込み佳境
企業HPご案内 前回の企業レポート
日東工業(6651)は連結続伸。2Q も主力の配電盤とキャビネット中心に強含み。後半慎重で通期予想を据え置いた。米中に日韓対立、ブレグジットなど海外が不透明。国内も景気先行指標一服。人手不足、消費増税の影響がついて回る。しかし、昨年10月13年ぶり主力製品5~8%値上がりが浸透し値引き率も改善。買収した北川工業フル寄与に海外子会社の赤字縮小。熱中症特需もあり差し引き大幅増収増益。2013年サンテレホン、タキオン、南海電設を子会社にして以来脱皮が目立つ。この上、一部開始したパナソニック(6752)と配電盤事業の協業次第。もう一皮むける。国内で残存者利益が視野に入り、海外でも住宅やビル、工場などソリューション提案できるためだ。現在、フェーズ2の段階。連結売上高1250億円、営業利益100億円(2021年3月期)がフェーズ3の目安。電気と情報をつなぐ「コネクト」をスローガンに盤プロフェッショナルを目指すもので、支柱となる6つの戦略をテーマに掲げ次世代のビジネスモデルに挑戦。仕込みが佳境に入った。1Q 連結構成比によると、主力の配電盤関連188億8300万円(9.8%増)、情報通信関連74億8800万円(13.8%増)、工事・サービス6億円(13.2%増)。新規の電子部品関連30億1900万円。メーカーがネットワークインフラとマーケティングにもまれプラットホーム再構築。今後国内で五輪(2020)、万博(2025)、リニア(2027)などビジネスチャンス。2028(設立80周年)~38年(同90周年)にかけて2つ大きな山が見える。コア事業競争力強化、グローバル化(東南アジアで配電盤事業確立)、新規ビジネス。生産体制・経営基盤強化によるものだ。新規ビジネスで18年6月から静岡県掛川市と地域防災システム実証プロジェクトが出色。充電インフラ、電力識別技術でも指折り。「JECA FAIR2019」(第67回電設工業展)で同社の放電検出ユニットが経済産業大臣賞に輝いた。このほか、独立電源システムや宅配ボックスなど改良・改善を重ね出番待ち。10、20年先を見越したものだ。前回述べたギャザーゲイツの生産体制改善と製造コスト見直し、タイの金属加工会社と連携よし。失敗を恐れず、挑戦する新風が吹いている。
2020年3月期(連結)は、売上高1280億円(9.4%増)、営業利益90億円(39.0%増)、経常利益同(40.5%増)、純利益65億円(60.6%増)の見通し。10円増配し50円配当(中間25円)の予定。設備投資63億円(前期25億円)の計画。北川工業の新試験棟に本体基幹システム・機械設備更新など気合が入っている。リーマンショックを境に連結売上高が倍以上。スケールアップに現場が追いつかない。しかし、キャッチアップすると行き過ぎも考えられる。グループのサンテレホンと北川工業に定評があり、シンガポールのギャザーゲイツがダークホース。来年以降上昇運と出ており、佐々木社長(63)と同運だけに化ける公算が大きい。