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企業レポート

一陽来復1Q確り  名古屋電機 7月17日 (2019.07.16)

採算の改善が目立つ 
東京五輪と大阪万博の巡り合わせ
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 名古屋電機工業(6797)は一陽来復。1Q確りだ。前期、主力の情報装置が新名神全線開通で息を吹き返した上、直前期受注した検査装置も収益に貢献し二段構え。反転の軸足を固めた。2016年(創業70周年)を契機に「第2の創業」を目指し、17~20年度ピーク(1997年度売上高223億円)更新を打ち出したのが契機。17年2月、トップ人事でオーナー系の服部高明社長(43)に若返り新体制。19年6月の役員人事で一段と締まった。前期三度の上方修正をもたらし新年度入り。6月26日の株主総会立て板に水。今期配当17円(前期23円)を表明したものの増配に意欲。売上高より利益を確保するコンテンツに変わった。大型案件の工事費や情報板を制御するソフトをコストダウン。仕様変更による契約金の増額など採算の改善が目立つ。前回述べたように、昨年10月GPSソーラー式信号機、LED標示機等の開発設計、製造、販売を手掛けるインフォメックス松本(資本金5000万円)を連結子会社に迎え、道路交通法システム関連事業で相乗効果。今後10年収益拡大に弾みがつくとみられる。絶好のポジションと考えられ、人材の確保・育成が事業100年(2046年)の布石。アンリツ(6754)の事業を引き継ぐ一方、日本信号(6741)と第一実業(8059)との連携。3月にドイツYXLONインターナショナル社とX線自動検査装置のOEM契約を結んだ。国内外、中長期視野で企業戦略室が動いている。2016年10月、国内で愛知県が国家戦略特区を活用して初の有料道路運営権売却(8)を実施。その後、値下げ効果とパーキングエリア拡大でビジネスチャンス到来。成功すると全国に広がる見通しだ。海外もインドで17年から産学連携プロジェクトが動き出し、スリランカと並び息の長いテーマ。提携先の日本信号をはじめ新たな展開も考えられる。何より、高速道路のITS情報装置で国内№1。シェア上昇につながる。同社の発展が1964年東京五輪に70年大阪万博と連動。2020年、25年も似て非なる巡り合わせ。光明に違いない。得意先の国土交通省やNEXCO(高速道路会社)にとっても一大関心事。愛知県やスリランカ、インド等にとどまらない。
 2020年3月期(連結)は、売上高200億1000万円(3.3%増)、営業利益10億2000万円(28.8%減)、経常利益11億3000万円(23.6%減)、純利益9億5000万円(32.3%減)と慎重な見通し。期末配当17円の予定。設備投資2億円(前期1億9400万円)レベル。バランスが好転しフェアウエイをキープした。強運の1年。周りの期待にこたえると弾み。服部社長と連結子会社インフォメックス松本が同運で10年よし。米中対立やブレグジット、日韓のシコリなどしのぐところ。8月6日1Q発表を予定している。
 

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