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企業レポート

みそと豆乳上振れ マルサンアイ 6月11日 (2019.06.10)

抜け出すと様変わり 
地元に受け入れられたマルサン鳥取
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 マルサンアイ(2551)は連結活況。8期連続売上高ピーク更新の折り返し。足もと確りだ。5月7日の上方修正によるもので、主力のみそ(2Q累計4.1%増)と豆乳(同6.3%増)の上振れが主因。地道なコストダウンにもうかがえる。8月にマルサン鳥取(連結子会社)の2期工事が完成する見込み。2ライン能力倍増(年5万kl)が後押し。5割アップだけに大きい。2020年夏からグループトータル15万klの足場を固めた。日本豆乳協会によると、18年の生産量36万kl(+6.9%)にのぼり最高。10年前の2.2倍になった。牛乳の市場規模に対し1割といわれ、将来3割との見方もある。5月28日付で鳥取県が企業立地事業補助金5億2000万円を追加交付。条件5項目の決め手となる雇用促進に該当。地元に受け入れられ同慶の至りだ。同子会社のトップ(61)が元関連会社ASP(アメリカン・ソイ・プロダクツ)で7年現場体験を積んだエース。同子会社と運勢が一致し、数年後様々な幸運が集中するという。天与のビジネスチャンスだ。一方、創業(1952)のルーツみそが復活。2Q累計生みそ3.0%増、調理みそ5.8%増。即席みそ2.2%増、液状みそ32.5%増と軒並み好調。2017年9月投入した「鮮度みそ」を口火に若い女性や単身の男性をひきつけた。市場縮小といわれながら14年以降回復。健康増進に日本料理が海外で紹介され、大豆のパワーをしばしばメディアが伝えるなど支援材料。このところ無添加や減塩が受け、連結子会社玉井味噌(蔵元)が3月1日発売した国産原料十割こうじ無添加生が品薄。入念な仕込みで穏やかな味に人気がある。大学と共同でみその認知症予防に伴う薬理効果の基礎的研究を検討中だ。豆乳の研究でも加齢による骨格筋萎縮や筋力低下に対する効果が考えられ乗り気だ。また、発売9年を数える豆乳グルト。毎期2ケタの伸びで2Q累計3億7000万円(20%増)を計上。3月にポッカサッポロが群馬県の豆乳製品新工場に53億円投入し火がついた。近い将来30~50億円市場といわれる。さらに、「乳酸発酵おから」に有力な生理作用があるといわれネタが豊富。これまでになく盛り上がっている。事実、豆乳グルト(モンドセレクション3年連続金賞受賞)と海外売上高(19年9月期見込み13.2%)の伸びに見どころ。中期経営計画(18~20年度)を通じて10、20年後が視野に入る。来期ピークアウトする償却を境に大幅な収益拡大が見込まれる。渡辺社長(62)が今年2月から上昇運入り。数年後、夢が叶うと出ている。株主優待制度を見直し、公式オンラインショップの割引クーポンを35%(従来20%)引きにした。
 2019年9月期(連結)は、売上高270億4500万円(2.7%増)、営業利益3億1400万円(17%減)、経常利益2億8900万円(30.1%減)、純利益3億4500万円(69.9%減)と従来通り。期末配当30円の予定。設備投資17億2400万円(前期13億4700万円)、償却13億1700万円(同13億2200万円)の計画。今、来期踊り場が続き胸突き八丁。抜け出すと様変わりになりそうだ。

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