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企業レポート

巡航速度入り ダイセキ 5月9日 (2019.05.08)

ビジネスチャンス本格的 
VISION2030ターゲット
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 ダイセキ(9793)は一段と好転。中長期連結ピーク更新を視野。巡航速度に入った。資源価格上昇、鉱工業生産持ち直し、シェア上昇など手掛かり。子会社(4)と連携によるもので単体リード。関東、関西、九州の伸びしろが大きい。1995年に業界初の上場を果たし四半世紀。本格的なビジネスチャンスとみられる。社会的認知を受け、バブル崩壊、リーマンショックを消化。国内製造業の海外移転に伴う落ち込みも吸収した。技術と実績によるもので、許認可や基盤インフラを巡り参入障壁が高いのも事実。単体の口座が直近6500前後、最大手で2~3%といわれ、偏っていないのが魅力だ。GDPと肩を並べる産業廃棄物総排出量に規模拡大を見込めない、全国6事業所を足場に増強、集約、M&Aなどシェア上昇余地。現在、推定10%に過ぎない。経産省の鉱工業生産指数に影響を受ける一方、環境省所轄のリサイクル処理がコア事業。この分野、DOWAホールディングス(5714)やクレハ(4023)と競合するほか、MCRも東邦鉛(5707)、三菱マテルアル(5711)、三井金(5706)などライバル。絞られてきた。費用対効果でリサイクルが有利という。前回、VISION2030を紹介した。2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を受けたもの。連結売上高1500億円、営業利益250億円、ROE15.0%(2030年度)がターゲットになった。前期の3倍強にのぼるスケール。役員会のたび議論を積み重ね勉強中という。国内で3事業拠点の開発、3本の新たな主力事業確立、コア事業のシェア3割など3尽くし。プラスチックや非貴金属素材のリサイクルも新たなテーマになった。60年以上の実績を踏まえ、アジア№1のリサイクル企業を打ち出したのも特徴。事業100年(2045年)、その後に欠かせない。単体が腰を上げ子会社も連動。土壌汚染調査・処理の環境ソリューション(1712)、鉛リサイクルのMCR、大型タンク清掃大手システム機工が一体になった。北陸ダイセキの健闘も見逃せない。常にコンプライアンス(法令遵守)体制の充実、グループ連携強化、関東、関西地区の事業拡大、リサイクル技術向上、情報と投資など課題。少ない燃料消費で遠くまで航行できる合理的で効率のいいポジションにつけた。2月から社運アップ。自分磨きに力を入れる年という。柱社長(58)も単体と同じ長大運。夢が叶うと出ている。
 2020年2月期(連結)は、売上高535億円(4.2%増)、営業利益101億円(10.9%増)、経常利益102億円(10.8増%)、純利益67億円(9.6%増)の見通し。配当46円(中間23円)の予定。前期6円増配した。設備投資113億円(前期64億0800万円)の計画。このうち80億円が土地という。AIやIoT、5Gなど馴染まない。もっぱら対面営業で地域と共存を図る。どんな事態になっても安定して伸びるベースができた。何も彼もすべて失い、一から復旧した伊勢湾台風(1959)が事業の糧になっている。

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