連結ピーク更新 岡谷鋼機 4月10日 (2019.04.09)
前期出来過ぎ引き締まる
創業350周年人材教育がもたらす
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岡谷鋼機(7485)は連結続伸。ピーク更新の見通し。昨年来、正念場を乗り超えた。国内景気が伸びた上、米中対立、ブレグジットなどリスク持ち越し。差し引きプラスとみられるためだ。17年度比16.8%伸びた産業資材がリード。情報・電機と生活産業の続伸を見込み鉄鋼の落ち込みを吸収。自動車や航空機のほかリニア関連の取引増加もうかがえる。主要メディアの行き過ぎた不安報道を糺すもの。踊り場に変わりない。同社は11月350周年を数え、中期計画Gih-2020(連結売上高1兆円、純利益200億円)の折り返し。前期、普通10円に創業20円計30円増配を表明。延べ10項目記念行事に追われ慌ただしい。4月1日、新元号「令和」が伝えられ入社式。社長訓示が奮っている。「平成最後の月。この先30年よく考えて下さい。皆さんは大切な人材」が要旨。「社会がすっかり変わっていることを踏まえ、世界をよくする気概を持って自分を磨いて下さい」という。前期出来過ぎといわれ引き締まった。上場後10年国内、その後10年で海外拠点も30以上に増加。素材流通より部品加工で稼ぐ体質に転換した印象。財務でも、直近中国とベトナム子会社の持分譲渡に経済合理性がにじんでいる。IMFが4月3日の世界経済見通しで米中通商に触れ、激化すると製造・農業部門で雇用喪失。関税率25%引き上げに言及したものの織り込み済み。増収にこだわらず、生産性向上にシフトした。流れが変わったことを前提に取り組んでいる。前期の連結売上高によると、国内67.7%(10.7%増)、海外32.3%(12.9%増)ともに高い伸び。熱心な人材教育がもたらしたもので、「ものつくり」をベースに自動化・ロボットや航空機などイノベーション(技術革新)頻り。2月に5G回線で自動運転の実験に踏み切った。1934年以来といわれる地元中川運河の物流倉庫建て替え(約6億円)。矢作建設(1870)や野村不(3231)と組んだJR春日井駅前再開発然り。リニア開業(2027年予定)を視野にアップデート(更新)の一環と考えられる。同中期計画に盛り込んだグローバル(海外取引拡大)、イノベーション(先端商品・技術への挑戦)、ヒューマンリソース(人材育成)をやり切るのが狙い。今年2月から社運上昇。自ら磨くことで世の中に立って行けるという。岡谷社長(74)も同運で拍車がかかりそうだ。
2020年2月期(連結)は、売上高9600億円(1.2%増)、営業利益220億円(4.9%増)、経常利益260億円(4.0%増)、純利益180億円(9.1%増)の見通し。配当220円(中間110円)の予定。設備投資61億円(前期30億9300万円)の計画。物流倉庫増改築14億9000万円にシステム関連7億6000万円が続き、償却37億円(前期36億2800万円)を大幅に上回る。同社のポジションによると、数年後夢が叶うと出ておりビジネスチャンス。追い風になりそうだ。年明けからグループ挙げて国内外ハードとソフト両面に創造的な取り組み。350周年を念頭により一層の地域貢献を表明。歴史の中で培った信用に磨きを掛けるという。