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企業レポート

ピーク更新し踊り場 エイケン 4月9日 (2019.04.08)

新たな仕込み始まる
次の半世紀巡りもうひと山見える
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 エイケン工業(7265・JQ )は高水準。創業50周年の節目。踊り場とみられる。次の半世紀を巡るもので、直前期20年ぶり売上高と純利益ピーク更新。前期続伸したものの、今期原材料高や製造コスト上昇を受けて1Q増収減益。差し引き持ち直す見通し。主力のフィルター(1Q6.8%増収)に燃焼機器(同4.7%減収)の引き合い確り。さらに増強が見込まれるためだ。2016年2月ヤマシンフィルタ(6240)と業務提携したのに続き、18年4月トヨタ紡織(3116)から品質優秀賞を受賞。前途に光明がうかがえる。後者の場合、延べ5年外注加工を通じて同社の品質・価格・納期など評価されたもので、相手がトヨタグループ源流の純正部品メーカーだけにインパクトが大きい。17年10月約6億円投入した第8工場稼働により2割能力アップした矢先、新たな設備投資を検討している。バブル崩壊、リーマンショックを乗り切り30年。残存者利益の域に達し、今後淘汰も予想される。本社のある御前崎市の人口が04年の合併から1割減少したのに対し、同社の従業員4割増加。18年9月末、台風24号の影響で2日弱大規模なブラックアウトに見舞われた際も一丸となって無事収拾。今後の危機管理に役立つという。水道とガスのライフラインを除き信号機・警官なし。郵便局や金融機関のATM中断。東名・新東名通行止めなど機能不全。東海道線運休にスーパー、コンビニ休業。通信なしでよくしのいだ。創業当時から従業員の安心をつくることに傾注。安心が品質を支えているという。前回述べた若手取締役の抜擢も見逃せない。今期から40代3人を数え10、20年先取り。次世代のリーダーが育ってきた。自動車用フィルター50年、燃焼機器40年のデータ蓄積がAIやIoTにもまれアップデートする時代。もうひと山見える。フィルターは輸出(推定6割)が活路。一貫して円建てだ。燃焼機器もコインランドリーの実績次第でまだ伸びる。売上高70億円が視野に入った。提携先のヤマシンと具体的なアプローチが続く一方、トヨタグループと取引拡大が見込まれる。今年、一段と強運。油断大敵という。周囲の期待に応えると弾みがつきそうだ。
 2019年10月期(非連結)は、売上高60億円(0.7%増)、営業利益4億7300万円(5.8%減)、経常利益4億9300万円(同)、純利益3億5200万円(8.9%減)の見通し。配当100円を据え置く予定。設備投資3億円(前期4億500万円)の計画。更新が大半で増強に含み。依然、活気に包まれている。自動車が保有から利用、AIや高速通信、自動運転など次世代に様変わりしても、EVシフトに時間がかかる上、燃費改善に伴うガソリン車の経済合理性も見直される。10、20年補修用市場ピーク更新も考えられる。高品質・低コスト体制の確立、第2第3の高性能フィルター開発に取り組む一方、ヤマシンやトヨタとどうつき合うか。新たな仕込みが始まった。

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