新中期計画に傾注 大同メタル 3月26日 (2019.03.25)
潮が変わり生産性向上
トライボロジーブラッシュアップ
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大同メタル工業(7245)は出直し。3Q連結4.9%増収、21.1%営業増益。通期でも確りだ。米中対立、ブレグジット、ベネズエラの混乱など持ち越し。明らかに潮が変わり生産性向上によるもの。新年度期待を持てる。昨年5月新中期計画(2018~23年度)を立ち上げ、11月に創業80周年を迎えるロケーション。自動車中心にトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑技術)全域の既存事業ブラッシュアップ(磨きをかける)がベース。近い将来、新規事業の創出・育成につながるもので、強固な基盤確立と組織・コミュニケーション活性化を盛り込むなど年明けダッシュ。全員が一人ひとり効率化に取り組み、働き方改革を通じて事業100年、150年の声もあがっている。昨年5月1458円を戻り高値に半値の水準が現状。前中期計画の第2ステージ(2015~17年度)が未達だけに巻き返し。2月15日の組織変更と人事異動(4月1日付)で若返りが目立った。単体トータル1271人の平均年齢37.9歳(前期末)で働き盛り。リーマンショック直前の連結売上高680億円が511億円に落ち込み、4期ぶり703億円(2012年3月期)を計上しピーク更新の原動力になった。昨年後半から逆風となり、目下踊り場を踏まえ2020~21年調整運。正念場とみられる。新計画の数値目標が5年後連結売上高1400億円、営業利益140億円。2020~21年仕込みと割り切れば、これから3年急がば回れ。ビジネスチャンスと考えられる。グローバルマーケットシェア(推定)によると、自動車エンジン用半割32.5%(2017年実績)、ターボチャージャー用28.0%(同)、船舶用低速ディーゼルエンジン用51.0%(同)など業界をリード。すべり軸受けで世界全分野トップシェアを目指している。IEA(国際エネルギー機関)によると、内燃機関を必要とする車が2035年まで増加する見込み。同社は徹頭徹尾トライボロジー全域で世界シェアアップに挑戦。一般産業分野の電気二重層キャパシタ電極シート、電力・エネルギー関連の発電設備用特殊軸受に至るまで手を抜かず。残存者利益に至るまで見越したもの。腹をくくり使命感に燃えている。設備投資と連結子会社投融資、借入金返済など昨年9月払い込みの資金調達約68億円。同11月ロシア人技術者訪日研修22人受け入れ(経産省新市場進出等支援事業)然り。世界5極で新たな軸足を固めた。
2019年3月期(連結)は、売上高1070億円(0.3%増)、営業利益67億円(2.9%増)、経常利益69億円(2.0%増)、純利益47億円(43.2%)と従来通り。配当30円(期末15円)を据え置く予定。設備投資70億円(前期86億9400万円)の計画。外部環境流動化に呼応し来期も堅い見通し。CEOの判治会長(77)が会社と同運で潮目になると強い。常に優秀な人材を躊躇なく送り出しているためだ。今、来期予想される変化に打ってつけ。新中期計画4本の柱に傾注し不退転の構えだ。宣伝会議2019年4月号(3月1日発売)に出た「すべる技術が、ウケてます。」(協賛企業賞)にもうかがえる。