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企業レポート

客足戻り回復軌道 藤久 3月19日 (2019.03.18)

在庫に大幅な改善余地 
ハードと一線画しソフトに付加価値
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 藤久(9966)は底入れ。回復軌道入り。2Q緒についた。昨年9月、既存店の反転が最大の手掛かり。客足が戻っているためで3Q需要期入り。あく抜けが近い。本格化した構造改革によるもので株価も持ち直した。2月12日の下方修正、借入金15億円調達、役員報酬減額など決め手。集中効果が見込まれる。初の営業損失400万円(2017年6月期)を境に昨年1月立ち上げた「デザインの木プロジェクト」がベース。待ったなしの組織再編、出退店見直し、戦略推進プロセスなど現場の声もこだましている。2Q末在庫63億円(前期末57億円)に大幅な改善余地。原価・販管費然り。昨年10月、創業115年の米百貨店大手ペニーがアマゾンに顧客を奪われ赤字を計上。株価10分の1になった。当時、同手芸大手ジョアン・ストアーズのジル・ソルタウ元CEOを迎え在庫13%カットを断行。手詰まりを一掃したという。同社の場合、事実上10年以上前からジリ貧。粗利と在庫回転率向上を目指し中小型の出店で切り盛りしてきた。しかし、過去10年で16.1%既存店が落ち込み割高な在庫がさばけない。このため、目先から将来に収益を見直し値頃や割安感、品揃え強化に乗り出した。月次情報によると、昨年8月の既存店88.3%(累計89.9%)に対し1月99.5%(同94.0%)に回復。需要期(1~3月)に漕ぎつけた。あと、クライムキ式ソーイングスクール(前期末238)に続く講座育成が焦点。ネット通販や100均、ディスカウントショップなどハード一点張りと一線を画し、ソフトが付加価値。教えることは学ぶことに通じる。1500~1800億円といわれる手芸市場で2極化の岐路を迎えた。同社は、ビーズブームで一世を風靡した2003年6月期(純利益16億0900万円)から5年後のポジションと同じ。後藤社長(62)も同運で2月から上り坂に入った。2Q末462店舗。黒字店4割といわれ残り3分の1黒字転換の見込み。半面、年30を目安に撤退。無借金経営にかかわらず取引先3行から資金調達。既存店ブラッシュアップ、オムニチャネルのシステム開発、物流合理化などに投入。金利0.6~0.9%で1~4年の設定。1~6月役員報酬減額を拡大し集中して取り組む意向だ。
2019年6月期(非連結)は、売上高192億5300万円(4.5%減)、営業損失11億8300万円、経常損失11億7300万円、純損失16億4400万円に見直した。2期連続無配の予定。設備投資2億3100万円(前期4億1400万円)の計画。じわじわ好転し数年後様変わり。夢が叶うと出ている。大半女性客で女性の職場だが、役員や管理職で軸になる女性を起用する旨検討中。5月中旬とみられる3Q発表が楽しみだ。東証一部で時価総額32億円(純資産91億円)に過ぎず、首尾よくいけば2、3倍に化けることも考えられる。3月7日から4月7日まで「春の20%OFFセール」を開催中だ。

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