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企業レポート

まだ仕込みの段階 名工建設 3月5日 (2019.03.04)

五輪後さらにピーク更新 
リニア関連のインフラに見どころ
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 名工建設(1869)は確り。断続的にピーク更新。一段と締まっている。安全最優先の定着、長期プロジェクトの着実な施工によるもので1月28日上方修正。年度末の追い込みに入った。27年品川~名古屋リニア開業に向けてカウントダウン。さらに、ピーク更新が見込まれる。同社はJR東海(9022)傘下。鉄道系ゼネコンで全国に6支店を構え、創業(1941年)来最大の案件に包まれた。2014年3月期スタートした新幹線大規模改修工事が今後も続くとみられ、新幹線脱線・逸脱防止対策やリニア中央新幹線工事、その他プロジェクトなど目一杯こなしている。従来の土木、建築、軌道のほか、JPタワー名古屋(地上40F)に不動産事業を展開。旧本社再開発の一環でストックビジネスも回り始めた。何より、2年前民営化30年を迎えたJR東海が元気。1日350本の東海道新幹線を運行しながらリニア開業に向けて準備工事急ピッチ。五輪後、拍車がかかりそうだ。このため、第17次経営計画(2018~20年度)に安全をはじめすべての目標「ワンランク上」を打ち出した。質の向上に取り組み生産性を上げるためで、官公庁のほか民間工事も特命受注にシフト。首尾よくいくと、数年後体質が一変しそうだ。JR東海が今年2月から上昇運。来年以降加速する見込みで「夢が叶う」と出ている。同社が影響を受けるのも当然で、数年後リニア関連のインフラやガイドウェイ製作工事も見どころ。これまで山梨実験線で実績を積み、リニアの車両を浮上・推進するガイドウェイ部分の目玉に取りかかる。JR東海の在来線で保守約7割、東海道新幹線の線路延長でも約6割のシェアを持ち、リニア開業でもう一皮むけるポジションにつけた。前計画(2016~18年度)から安全第一の理念教育、安全のため本質を探究する運動、工事各段階のリスク排除を徹底する取り組みが本格化。ワンランク上がりかけている。
 2019年3月期(連結)は、売上高940億円(6.3%増)、営業利益45億円(21.0%減)、経常利益47億円(20.5%減)、純利益32億円(25.2%減)に見直した。配当18円(期末9円)を据え置く予定。設備投資5億9500万円(前期7億2300万円)の計画。3Q連結受注高累計597億8500万円(11.5%増)と堅調。販管費の改善が清々しい。不動産事業等の営業利益1億6400万円(137.0%増)がアップデートな印象。2021年、東日本大震災から10年。インフラ老朽化の時代といわれる。22年、名鉄(9048)が名古屋駅前に6棟一体のビル建設に着手するという。五輪後、佳境入り。まだ仕込みに過ぎない。

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