韋駄天走り 降りる人を降ろして身軽 (2019.02.18)
昭和の風林史(昭和五八年二月二日掲載分)
輸大ここ両日は暴走族だ
輸入大豆は
今週中韋駄天走りだろう。
S高もあってよい。
シカゴが革命している。
27日付け当欄で『早ければ月末、
遅くとも二月新ポ→節分にかけて
奔然と(輸大は)上昇する』―
と書いた通り、
新ポ約束たがわず放れた。
今週一杯、
出遅れを取り戻すような上げかたを
みせる輸入大豆だ。
シカゴ期近が六㌦台に乗せた。
円相場は安い。
売り過ぎの定期が
マッチ一本ガス爆発である。
いままで買って
嫌というほど辛抱していたマバラ筋が、
やれやれ利食いで降りるわけで、
出来高にそれが出ていた。
相場は、降りる人を降ろして
身軽になって、
それから飛ぶわけだ。
引き継ぎ先限三百円棒が立つと、
輸大の相場は
五百円棒を引くのが普通。
砂糖やゴムの相場の
底値脱出と同型の輸大で、
ただ出遅れていただけ。
三市場取り組みは
年末から一万枚の増大だ。
もの凄い電圧に
電流が通ったのだから、
売り玉はじけるように踏み上げる。
今週中にS高が
あってもおかしくないリズムだ。
線というものは
実に不思議だと思った。
東京当限の引き継ぎが、
下降トレンドに
決別(クロス)したとたんの上伸だ。
先限で一月10日底→二六〇円上げ→
三分の二押し→七七〇円の節抜け→
押した幅一八〇円の倍返し→
九五〇円は、暮の14日の頭。
これを買い切ると四千二百円。
ともあれ大底を見つけたのだから
強気一本。
小豆はマバラ大衆筋が
値頃観で売ってくる。
これに対して筋ものというか、
玄人筋が買う。
という事は、この相場、
まだまだこれから―となるわけだが
思わぬ落とし穴ありと見て
売り上がれ。
誰が決めたわけでもないのに
輸大の売り方が小豆の買い方。
小豆の売り方が輸大の買い方。
面白いバランスである。
●編集部註
昔は良かった、
とまでは言わないが、
サーキットブレーカーが働く現在の
取引システムの中で
この時の取引を見ると、
ストップ高やストップ安というシステムは
存外良いシステムであったかも知れないと、
つい思ってしまう自分がいる。
ここ最近の金相場を見ると
つくづくこの事を感じる。
利便性を錦の御旗に
ほぼ24時間営業にしてしまったのも
まずかった気がする。
今の市場が若い人ばかりであれば
問題なかったかも知れない。
しかし、今の一般投資家は
そんなに若くない。
海外及び法人、更に
大口投資家の良いカモに
なっているような気がしてならない。
素人さんを大事にしない賭場は、
やがて廃れる運命にある。