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企業レポート

フェーズ3も視野 スズケン 2月19日 (2019.02.18)

年度末の追い込み加速 
2025年を目安にアップデート 
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 スズケン(9987)は正念場。薬価制度の改革に呼応。年度末の追い込みに入った。生産性向上に新たなビジネスモデル構築、持続的成長を目指すもので、3Q連結累計0.8%減収、34.0%営業増益、20.8%経常増益、62.3%増益と上振れ。加速している。前期初、本社4本部制(従来7)・20部(同31)集約が口火。業界初の併設型複合センター(メーカー物流・卸物流・輸配送ターミナル)稼働、女性活躍推進法に基づく「えるぼし認定」を取得するなどスタートダッシュ。弾みがついた。団塊世代800万人が75歳以上になる2025年を目安に医療流通プラットホームをアップデートするもので、前中期成長戦略「One Suzuken 2016」を準備期間に「同2019」フェーズ2。改良や改善を超えた改革により無駄の排除、取引慣行是正、アジア貢献を掲げステップアップ。得意先に学び失敗を恐れず、世のため人のため(創業のこころ)夢を実現する旨が骨子。1995年3月の地下鉄サリン事件。受注から数時間で社員が「パム」(サリンの解毒剤)を手に名古屋から新幹線こだまに乗り込み、停車駅の浜松、静岡、新横浜で各支店の在庫を受け取り聖路加国際病院に届けた。最近もNHKやTBSなど主要メディアが伝え、グループ連結1万5834人(前期末)にDNAが受け継がれている。BCP(事業継続計画)に熱心でCO₂排出・エネルギー使用量削減、省資源・廃棄物対策、地域住民の健康増進、次世代教育支援、残薬防止の取り組みなど枚挙にいとまがない。創業1932年で満州事変(31年)直後。混乱や過渡期に強く、機転が利く社風。現在と共通する面もあり、毎期薬価引き下げを受けて市場が頭打ちとなり、国内外の医薬品メーカー物流に活路を見出した。医薬品から再生医療等製品まで業界の垣根を超えた協業が目立つ。ギリアドのC型肝炎薬を東邦HD(8129)と共同で取り扱ったほか、小野薬品(4528)や大株主の塩野義(4507)とも良好な関係にある。ご時世が利己から利他主義に変わる踊り場を迎え追い風。同社は混乱に強いのが取り柄だ。2月から運気上昇。自分磨きに力を入れる年。宮田社長(58)も同運で数年後夢が叶うという。
 2019年3月期(連結)は、売上高2兆0817億円(2.0%減)、営業利益215億5000万円(9.2%増)、経常利益304億5000万円(4.9%増)、純利益266億円(41.3%増)の見込み。昨年11月27日の上方修正によるもので追い込みに期待がかかる。配当54円(期末27円)の予定。全ての事業で人件費をはじめ販管費が減少。よく締まっている。設備投資186億円(前期72億円)の計画。次期も同水準とみられる。中長期、再生医療等製品によるオーダーメイド治療や外資の自由参入も予想されるだけにフェーズ3も視野。計画をやり切ると面白い。

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