証券ビュー

森羅万象

悲喜こもごも 相場の燃え草になる (2019.02.01)

昭和の風林史(昭和五七年十二月二三日掲載分) 
新春小豆はまだ下げます
小豆は利食い専念。高値追わず。
一月は暮に戻した分を下げよう。
輸大は買い。
泣くも笑うもという段階にきた。
景気のよかった取引員は
大納会済んで、全員ハワイ旅行
というところもあるそうだ。
さぞかし営業計画の目標を
達成したのであろう。
人が集まらん。
新卒内定者がボロボロ落ちていく。
来年の計画が立てられん
という店も多い。
業界悲喜こもごもといいたいが、
気分としては、
お先まっ暗のところばかりだ。
それでもなんとか越していけるから
面白い。
さて小豆相場は、利のある玉は
利食いしていくところであろう。
確かに底は入っているが、
ガンガン強気して
高値を追える相場ではない。
あと年内
どのような動きになるか判らないが、
年内気分一杯買ってしまうと
新年早々、上げた分ぐらい
消してしまう波動である。
要するに底は入ったが
底練り百日といって押したり突いたり、
薄商いの嫌になる場面が一月だろう。
だから高値買わず、
また安いところを待って仕込む―
という気の長い方法でいくしかない。
輸入大豆は前にまわすと
サヤスベリすると見る人が多い。
要するに大勢弱気派である。
それも一理ないわけではないが、
相場の強弱は親子でも別。
弱気論者をねじ伏せてまで
強気にさせることもない。
弱気は弱気の信念がある。
それと同じように
強気には強気の信念がある。
三市場取り組みのボリウムは
十六万七千枚。
月始めから一万一千枚の増加だ。
T社買いが一万枚近く降りてこれだ。
このような取り組みで
四千円乗せ、四千百円カイときたら、
ちょっとうるさい相場になる。
中豆20万㌧の怖さを知らないから
強気をいうのだと笑うが、
中豆20万㌧は
相場の燃え草になるだろう。
●編集部註
 全盛時のマメ屋は
金遣いが荒かったよ―と
ある商品取引員に
外務員として勤めていた頃、
上司にあたる古参の外務員から
そう言われた事がある。
 取引所もお金があった頃は
大納会やクリスマスパーティーで
東京の名店が屋台を出したり、
お土産にこれも名店のケーキを
持たせたりしてたな―と、
これも業界関係者から聞いた事がある。
 全盛時、
記者クラブの会合は○○でね、
帰りにはお車代が出てたよ―と、
先輩記者の方から聞いた事がある。
この○○、今も存在し、
ミシュランの星を獲得している名店だ。
 筆者は、
どの恩恵にも与った事がない。
半ばフィクションのようだと
心の中で思って聞いていた。