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森羅万象

ひとまず見送る はしゃいだら相場は止まる (2019.01.30)

昭和の風林史(昭和五七年十二月二一日掲載分)
小豆も輸大も出直り態勢
小豆も輸大も底入れして
出直り態勢に入っているが、
それ相当の抵抗もあるようだ。
小豆も輸大も
表面見かけの強気がふえてきたが
それでもまだ弱気が支配している。
強気の中でも
まだ本気になっての強気に
なっていないのかもしれない。
底は入っているようだが、
まだ下値を残しているかもしれない
―と思うのが迷いである。
迷いだすと、
ああでもない、こうでもないで、
結局判らなくなる。
そのような時は、ひとまず見送る。
商いが薄いということは、
見送る人が多いからである。
小豆の線型は非常に明るい。
線だけで売り買いを、
判断する人なら
底値脱出陽発の段階であることが判ろう。
希望的観測者は二万九千円絶対というし、
前週末あたり、強気のはしゃぎ過ぎは
三万円必至など
と明るい声を出していたが、
はしゃいだら相場は止まる。
ちょっと嫌な感じがした。
きのうの紙面で
八千五、七百円は利食い場
と一行書いたら、
なんだ上値はその程度か?
と不満そうな読者が多かった。
あって八千八百円までと見ている。
年内残り少なくなると、
ぼつぼつ来年の相場のことを考える。
要するに越年態勢だ。
それなら百円でも二百円でも
押したところを仕込めばよいと、
あわてない。
土台、暮の20日を過ぎて
一発儲けようという了見がよくない。
輸入大豆は東京先限七百九十円。
大阪先限八百十円。底が入っている。
にもかかわらず、
まだ三千六百円を
期待している弱気が多い。
三千九百円という今の値段は
東京市場でIOМ渡しなら
三百円格落ちだから
三千六百円の値段である。
目標の値段に
とどいて底入れしているものを
売って、どうするというのだ。
●編集部註
 身もふたもない話をするが、
〝百円でも二百円でも
押したところを仕込めばよいと、
あわてない〟とは
相場の達人以外には
吐けない机上の空論であると思う。
いざそうなると、素人は慌てる。
 「もう少し下がるのではないか」
とスケベ心が脳内を占める。
 大抵そういう時に限って
それ以上は下がらない。
かくして大半は買い遅れる事になる。
 では、それ来たとばかりに
買いに飛びついたらどうか。
大抵もう一段下がる。
その下げに素人は耐えられない。
商品相場だと、
ここで両建ての売りが入り、
ご臨終となる。