証券ビュー

アンコール伊勢町

因縁じみた巡り合わせ あるとすれば新興国の金融不安 (2018.12.28)

 全面高。日経平均中陽線の引け。自律反発とみられる。26日ダウ1086ドル高によるもので、先物主導のテクニカルなリバウンド。Xマス明けの買い戻しが口火になった。米年末商戦の売り上げが6年ぶり大幅な伸び。来年1月、米通商代表団訪中が伝えられた程度。年末年始、年金をはじめ機関投資家の大口買いが見込まれ弾みがついた。12月の急落で組み入れ比率が下がり、基準値に戻すため600億ドル(約6兆6000億円)の潜在需要があるという。21日、米国で1931年以来。年の瀬間際、堰を切るように急伸したと述べたばかり。因縁じみた巡り合わせだ。高寄り後じり高となり5日移動平均線1万9823円を上回ったが、ダウに連れ高したもので米国次第。裁定取引が異例の売り超過とあって、買い戻し一巡後底入れ持ち越し。来年1月にもあく抜けと考えられる。直近、金融市場が国益を賭けた戦場といわれ、F・ルーズベルト大統領の1933~45年当時にそっくり。天王星の公転周期84年前とマッチする。ニューディール政策で持ち直し、低金利により財政拡大。1937年FRBが引き締めに転換した矢先、ダウが高値から60%下落。その後金融政策が空転し戦争経済に突入した。現在、似たような場面。財政拡大が悪でないにしても、債券バブルを野放しにすると二の舞。ダウ40、60%安の調整につながるという。受け売りだが、前FRB議長(イエレン氏)は退任前のFOMCで自分の生きている間「金融危機は2度と来ない」と述べた。ところが、今年10月様変わり。FRBの利上げを批判するトランプ氏に対し、無秩序な財政拡大のせいで「再び金融危機がくる」と警告。トランプラリーに業を煮やした民主党系のエリートが同調している。ノイズに違いない。しかし、油断できない。市場関係者によると、2008年9月のリーマンショック2ヵ月前、原油先物が急落したことも物騒な手掛かり。米住宅市場の落ち込みにも直面し、メディアの「危機再来」に煽られがちだ。当時から10年、「サブプライム問題」の再現なし。あるとすれば、米利上げに伴う新興国の金融不安。米ドル債務が3.6兆ドル(2017年末)と10年末から8割増加し、返済と資本流出の板挟み。米国のほか中国の景気減速が響き来年手詰まり。日本も影響を受け伸び悩む見通しだ。経済産業研究所によると、人手不足に伴う設備投資や賃金の伸びに期待。来年10月消費税引き上げに対し、軽減税率や所得支援策により消費の落ち込みも限られる。今後、世界経済の原動力となるのが第4次産業革命。数年来、米英仏の知的財産投資高水準。20世紀後半、自動車や半導体をリードした米国を前例にAIやIoTを活用した5G(通信革命)の時代。何十年も続くという。悠長なもので、じっとしていられない。
 27日の日経平均750円高。大引け2万0077円。TOPIX1501(+70)。東証一部の出来高15億7600万株、売買代金2兆6900億円。値上がり2112(値下がり11)。3月限が2万0020円(+3.25%)の引け。夜間取引1万9750円(-1.35%)、シカゴ円建て9710円(-1.57%)。ダウ先物2万2468ドル(-1.88%)と反落。10年債0.020%変わらず。米10年債2.759%(-0.051)。上海総合が2483(-0.61%)で引けた。マザーズ指数の引け826.09(+6.55%)。意外高が見込まれる。値上がり率ランキングによると、関係分で■■(****)、■■(****)、■■■■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■■■(****)など。亥固まり、子繁盛、丑躓くという。来年が肝腎。よいお年をお迎え下さい。(了凡)