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森羅万象

罫線の横幅(日柄) 各人の気持ち次第 (2018.12.13)

昭和の風林史(昭和五七年十一月十六日掲載分)
小豆相場の下値を考える
◇…小豆は二万六千八百円が
あるかもしれないが、ないかもしれない。
輸大当限は急所。
◇…小豆相場は
このあたりで様子を見よう
という動きになりそう。
二万八千円を割っていくトレンドは
残っているが、
生産者団体、
あるいは農水省の価格対策が、
相場水準低ければ低いほど
敏感に響くから御用心。
◇…今年の小豆の
大きなトレンドは
(大阪先限)次のようになっている。
二月10日大天井三万六千八十円→
一段下げ五千丁。
これが五月6日下げ止め。
第二波動は六月3日の
三万三千五百三十円からの
五千三百七十円下げ。
これが七月19日下げ止め。
第三波動が
八月11日の三万一千八百円からの下げ。
五千丁ひと波動とみるなら
二万六千八百円あたり。
◇…だいたい五千丁、五千丁と
下げてきている。
そして罫線の横幅(いわゆる日柄)は、
筆者のグラフの節足新値三段で
左右十二、三㌢が
一区切りになってきた。
◇…それからみると、
日柄(左右の幅の目盛り)は
ぼつぼついいところ。
ただ縦(タテ・値幅)が
五千丁ひと波動とすれば、
あと千六百丁ばかり下げ足りない。
◇…問題は腹八分でなく腹六分、
あるいは腹半分で
うまいところだけ食う
という相場哲学を持つのか、
いや根本一杯までという考えなのか、
人それぞれ考えは違うから、
ここから先は
各人の気持ち次第であろう。
◇…今のところ
二万六千八百円がないとも言えず、
あるとも言えない。
目先的には、
ゆさぶるところだろう。
へたに戻せば、
あと千五百丁取りの
売り新規もスリルある方法。
投げらしい投げが出るのは
その時か。
◇…輸入大豆は
当限の売りが踏まされていた。
しかしこれも、いまや時間の問題。
かなり息の長い相場だったが、
末期にきているから崩れたら怖い。
●編集部註
 「もう」は「まだ」なり、
「まだ」は「もう」なり

―という相場格言があるが、
市場全体に
「もう」という空気が
出て来ている事を受けての
この記述なのかもしれない。
実際、小豆相場は「まだ」だった。
 日本の輸入大豆相場も
「まだ」であった。
ただこれは生産地相場ではなく、
消費地相場であったが故の悲劇
と見る事が出来る。
 実は、シカゴ大豆相場の底打ちは
この年の10月に完了している。
日足を見ると11月には一段上げて
上昇基調に入っている。
 しかしこの時、ドル/円相場は
強烈な円高になっていた。
10月末に1㌦=277であった相場は
翌年1月に227円に。
これが相場に直撃する。