証券ビュー

森羅万象

後遺症 政策を期待しすぎる (2018.12.10)

昭和の風林史(昭和五七年十一月十二日掲載分) 
小豆は総投げ場面がくる
輸大は来週から崩れる。
小豆のトレンドは理想的下げ道中にあり、
これも来週きつい。
生糸、乾繭相場は
仕手戦の後遺症がでている。
売りで結構取ってきた人でも、
利食いしたあとが大きかった―という。
輸入大豆も、
いずれ似たようなことになるだろう。
中国大豆の第二船が
遅れているのを材料にしていたが、
入るものは入る。
また為替市場の円高は、
かなりの勢いをつけ、
円の大底入れを思わす。
大阪輸大当限の線型は日足四段上げ。
いつまでも
逆ザヤ突っ張っておるわけにもいかん。
小豆相場はドサッときた。
三晶が火のついたような買い手口。
まるで熱くなっているみたいだ。
相場というもの、どなたが買おうと、
下がる時は下がるものである。
取引員自己玉も店別にみていくと、
買い店が多い。
これは店が相場を張って
稼ごうという姿勢。
このような時は、
えてして大曲がりするものだ。
今年は小豆の玄人御難の年でもある。
大安回り三年下げに向かう
という六甲伝・三月甲である。
判りやすい先三本の
ここから千円安の二万八千円割れは、
九千五百円以上の買い玉が
投げてきて、
いわば気崩れの、なだれ現象
というコースであろう。
前三本になると、
これは三万円台の
因果玉大掃除がなければ
灰汁(あく)が抜けない。
小豆も生糸と一緒で
七月仕手戦の
後遺症が残っているのだ。
それともう一ツ。
それは政策を期待しすぎること。
政策は、
あとからゆっくり響いてくるもので、
その頃に
買い玉は投げ終わっているはず。
人気は、
まだまだ強気の未練が断ち切れない。
このような時は
利食い戻し程度で、すぐ転落する。
とにかくトレンドが
大下げコースに入っているのだから
強気は駄目だ。
●編集部註
 小豆と言えば三晶実業。
三晶実業と言えば小豆―。 
その昔、東京都中央区日本橋蛎殻町に
東京穀物商品取引所があった頃、
いや、
もっと前からそういうイメージが。
小豆相場が斜陽化しても、
その存在は大きかった。
 東京駅の近く、丸善本店の並び、
日本橋高島屋のはす向かいに
三晶実業のビル
が建っており、
今も威風堂々とした佇まい。
地下は画廊で、
バスキアやウォーホールが
売られていた記憶がある。
 ネットで調べると
創業は昭和二六年。
現在ユーチー・ディン氏が
代表取締役社長とある。