証券ビュー

アンコール伊勢町

ドル債買わせる動き   CDSかませユーロ債売り (2012.01.12)

買い戻しが一巡し膠着状態。次第に窮まってきた。12日から3月にかけてユーロ債延べ24兆円の入札が続くためで、9日ドイツの6ヵ月債落札利回りマイナス0.0122%が手掛かり。4日明らかになったイタリアの大手銀ウニクレディトの駆け込み増資が未達だし、EUやIMF向けスペインの支援要請も気掛かり。とても消化できそうにない。11日は日銀総裁、副総裁が英国やスイスに駆り出され、欧米の財務相会議ひっきりなし。1月末ダボスで開かれる世界経済フォーラムのタイトルがグローバルリスクという。本尊筋のマッチポンプに閉口するが、欧州の主要行は6月までに自己資本比率を9%に引き上げ、今月20日には資本増強計画を各国当局に提出する見込み。本尊は暴落した世界の主要銀行株と国債を底値で買い、その後世界の金融を支配するためと考えられる。1929年の恐慌で味をしめた手口。米国民の有り金を取り上げてナチスに回し、第2次大戦を起こして同盟国、連合国双方から高利貸しでしこたま儲けた。今回も同等とみられ、前衛がヘッジファンドというわけだ。そもそも、PIIGSは軽蔑した南欧の頭文字でポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインをもじったもの。語呂合わせはゴールドマンでBRICsの受け皿になった。欧米をまたにかけた住宅証券の後釜。サブプライム後遺症を引きずりながら次の商売ネタを探し当てたPIIGS債。CDSをかませて金融商品に仕立て顧客にはめたところ見事成功。昨年から大っぴらになっている。CDSは債券の下落に連動して高くなり利益が出る。国債保有にかかわらず、独立した金融商品として第三者で売買できる。つまり、場外馬券と同じ。ある国債にデフォルトの風が吹くと、通常3%だったCDSの価格が10、20%跳ね上がる。実際にデフォルトなら全額保証義務があり、通常1年の短期勝負。保証をかいくぐり保険料収入だけ手に入れるというえげつないもの。10%を超えると借り換え国債が発行できずデフォルトになるようだ。12日から3月までゴールドマンはじめ外資系の国債先物売り、買い戻しに注意。彼らは儲けることしか念頭にない。欧米の大手金融機関は1四半期過ぎれば別人といわれ、その前にボーナスを貰ってやめる例が多いという。気になるのがもうひとつ。FRBの第3次金融緩和。第1次80兆円、第2次48兆円につぐもので100兆円規模といわれ、やれば円ドル60円台。外為市場でドルが暴落しドル金利急騰という。今年は1、2月の初動をしかと受け止めることだ。

日経平均は25円高。円がユーロ、ドルにも高止まりし8447円の引け。出来高16億5700万株、売買代金8700億円。日本株は、11日付の日経トップで明らかなように公的資金頼み。日銀と公的年金が外資の売りを吸収。ケ・セラ・セラのままだ。12日以降ユーロ債入札いかん。3月に先送りしたギリシャ支援の有無次第。あく抜けも考えられる。和戦両様で進むところだ。個別に■■■■(****)、■■■■■■(****)、■■■■■(****)、■■■■(****)、■■■■(****)を見守っている。■■■■(****)の経過も悪くない。NYダウは、米国の金融機関が住宅債権の焦げつき1000兆円、PIIGS債同150兆円を抱えながら堅調。一方的にユーロ債を叩きドル債を買わせる動きになっている。どこかでひっくり返るはずだ。(了凡)