御都合主義 後続性がないのが泣きどころ (2018.12.04)
昭和の風林史(昭和五七年十一月八日掲載分)
小豆は高値高値売り一貫
小豆は人気の強いところを売るのがよい。
輸大当限は結局暴落する運命下にある。
小豆の商いが、いま一ツ盛り上がらず、
たった二枚か三枚のハナで
小高下している。
だから
少し力を入れて買う人が出てくると、
いかにも強そうに見えるが、
後続性がないのが泣きどころ。
今期輸入枠の発券を来春に延期して、
金額も大幅に絞り込むらしい―
という政策主導の価格テコ入れは、
確かにそうなると強気に味方する
かもしれない。
しかし、大衆人気は
愈々相場から離れることも確かである。
今の小豆に人気が寄らないのは、
すでにそのような政策相場の匂が
するからである。
ならば、政策に提灯をつけて
強気(買い)すれば
よさそうなものだが、
政策は信ずべし、
されど信ずるべからず―。
彼らの御都合主義に
ふりまわされるような相場に
近寄らない。
強気は期近の三万一千五百円。
期先の三万八百円あたりがほしい。
しかし自分で買って、
そここまで上げたのではつまらない。
鐘と太鼓と笛入りで
誰かに踊ってほしい。
だが、踊るような雰囲気でない。
白々と醒めている。
即ち地熱がない。
相場そのものに情熱がない。
なぜないかという背景と構造を
考えてみれば答はすぐにでるだろう。
玄人ばかりの市場。
その心は、高かったら売ろう―である。
実需も低調。問屋にも力がない。
投機家も貧乏している。
相場自然の理からいえば、
こんなことをしていると
二万五、六千円に埋没するはずだ。
だからと誰もが弱気になっては
下がるものが下がらなくなる。
今は強気が多いほどよいのだ。
輸入大豆は強気にさせられ
買った人が多いが
強張るのも今月中旬までだ。
中国からの入荷も
日を追ってふえつつある。
先月受けた現物が
売れないで困っているという話も
耳にする。
●編集部註
うるさい古参とマニアが
マウンティングに走り
新規を潰す典型的なパターン
になってきた。
もっとも、相場なので
マウンティングは当たり前だが。
この頃、世界は西側と東側に分かれて
マウントの獲り合いをしていたが、
東側の内部では
ソ連の書記長が急死するなど
色々とゴタゴタが続いた。
直接的な関係があったのかどうかは
定かではないが、
ブレジネフ書記長死去の2日後、
ポーランド政府に拘束されていた
自主管理労組「連帯」の
指導者であったレフ・ワレサが
解放される。
後年、彼は同国の大統領として
民主化を進める。