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企業レポート

連結続伸の見通し ヨシタケ 12月5日 (2018.12.04)

在庫積み増し強含み 
連結売上高100億円が視野に
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 ヨシタケ(6488・JQ)は強含み。国内外堅調。連結続伸の見通し。工場設備の省人・自動化投資を受けたもので、米中対立や原油先物、半導体市況など踊り場にあって確り。前期に続き蒸気配管向けが好調なほか、来期以降建築設備向け本格的な受注も見込まれ在庫積み増し。中間期末、12億7700万円(前期末11億1900万円)計上している。じわり純利益がピークを更新。積極的な提案営業と合理化、コストダウンによるものだ。国内で五輪関連を含め大規模案件があり、海外でも中国や北米、アセアンなど販路拡大。持分法収益(中間期39.8%増)の伸びが目立つ。連結売上高100億円が視野に入った。国内シェアを確保する一方、海外50%を目指すもので今、来期ビジネスチャンス。5つの課題に取り組んでいる。重複するが、海外販路拡大に建築設備物件の受注率向上、提案型営業の推進。生産リードタイム短縮と、同キャパシティ拡大が骨子。毎期積み重ね顕在化。リーマン前のピーク営業利益7億6100万円(2007年3月期)を目前にとらえた。前回述べたように、2011~12年タイ・アユタヤ県の旧拠点が洪水により操業停止に追い込まれ、約25億円投入して立ち上げた新拠点のインフラ一新効果も見逃せない。国内と遜色ない品質が売りものだ。旧拠点に累損がない上、引き合いも出始めたという。バルブはリーマン後世界5兆円、国内4000億円市場といわれ、2017年度の生産高4776億円(10.3%増)に続伸。震災の復興や首都圏の建築・インフラ需要など手掛かり。輸出入も2016年度から上振れしている。東アジア中心に都市化、人口ボーナスの影響とみられ、国内とタイの連結子会社を足場に事実上下町のロケット。製造・非製造業のデジタル化を受け、あらゆる場所で流体をコントロールするかなめ。流体力学のほか材料、電子工学、遠隔操作などロケット打ち上げの燃料発射に関わる技術もバルブの役目という。同社は、ナンバーワンならぬオンリーワン。減圧・安全弁国内トップ。何より蒸気に強いところがミソだ。
 2019年3月期(連結)は、売上高70億円(3.1%増)、営業利益7億3000万円(5.3%増)、経常利益9億5000万円(12.1%増)、純利益7億円(8.1%増)と従来通り。1円増配し33円配当の予定。設備投資2、3億円(前期6億8000万円)の計画。ピーク更新の構えだ。今年起きることが数年後の幸運につながるといわれ、山田社長(49)も同運だけに興味深い。国内とタイの連結子会社を通じて世界に届く海外ネットワークに見どころ。グループの米エバーラスティングが1906年創業で小回りの利く体質に合点した。規模の大小によらず質のつながりによるもの。日本のバルブが欧米の追随で本質や体系に根ざしていないことも事実。AI、ロボット、IoTの時代を迎え、同社の将来はグループの連携にかかっている。今、来期見ものだ。

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