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企業レポート

仕込み一色 マルサンアイ 12月4日 (2018.12.03)

豆乳新工場+αが焦点
連結売上高の300億円が次の目安
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 マルサンアイ(2551)は踊り場。最大のビジネスチャンス。仕込み一色だ。豆乳新工場(連結子会社マルサン鳥取)2期工事によるもので、能力倍増(年5万kl)+αが焦点。2020年夏からグループトータル15万kl体制の助走に入った。第2次戦略事業計画(3年)を踏まえ第3次(同)にリレー。23年のグループ連結売上高300億円が目安。ステークホルダー(利害関係者)に活気が広がっている。新工場立ち上げをきっかけに4つの基盤と3つの財務強化が同時進行。前者が売り上げ・収益・安心安全・人材育成に新事業なら、後者もPL・BS・CF(キャッシュフロー)の改善にグループ一丸。2016年1月日銀のマイナス金利導入を受けて新工場資金77億円(補助金12億8300万円)調達しただけに天の時となった。山陰合同銀(8381)と鳥取銀(8383)の取引開始が新鮮な上、人材や情報を通じて交流も支援材料。何より、新工場のトップ(60)が元関連会社ASP(アメリカン・ソイ・プロダクツ)で7年現場経験を積んだエース。同工場の運勢と一致し一蓮托生とみられる。新たなチャレンジ、ステップアップと出ており図星だ。天の時に地の利、人の和も後押し。数年後、グループの将来を左右するという。 前期の連結売上高みそ18.1%、豆乳64.7%の構成。食料需給表(農水省)によると、みその生産量が38年前70万トンから約30%減少し2014年からじりじり増加。豆乳等生産量等調査(日本豆乳協会)でも、11年から7年連続過去最高を更新。健康志向の高まりを背景に国内外で伸びている。同社はみそ、豆乳を主力に大豆加工食品一筋。「100年目も、大豆でありたい」旨CMでもお馴染み。戦後最大のビジネスチャンスをつかんだ。みその場合、直近の市場規模1004億円。2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に選ばれ、年2600万人を数えるインバウンドやチーズ、ワインなど発酵文化のある国で需要増が伝えられる。昨年9月鮮度キャップつきボトルの液状みそを市場に投入し一皮むけた。豆乳の場合、同577億円。シチューや鍋、茶碗蒸し、凍らせたシャーベットなど食べるレシピも受け17年の生産量33万9000kl(8%増)。18年36万kl、22~23年50万klといわれる。これまで東高西低が関西でも伸び始め本物になりそうだ。豆乳グルトがダークホース。2011年企業からエリア限定販売を広げ昨年10月累計1000万個突破。今期6億4000万円(26.9%増)見込み前途有望である。
2019年9月期(連結)は、売上高270億4500万円(2.7%増)、営業利益3億1400万円(17.0%減)、経常利益2億8900万円(30.1%減)、純利益3億4500万円(69.9%減)の見通し。配当は期末30円の予定。設備投資17億2400万円(前期13億4700万円)、償却13億1700万円(同13億2200万円)の計画。生産性改善により償却負担や運賃、水道光熱費など先行投資をこなす場面。早ければ、1年後様変わり。海外売上高20%(前期13.2%)も通過点に過ぎない。

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