追って尻上がり 旭化学 11月20日 (2018.11.19)
またとないチャンス
受注に生産が追いつかない見通し
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旭化学工業(7928・JQ)は続伸。追って尻上がり。弾みがつきそうだ。電動工具と自動車部品の受注増によるもので、後半生産が追いつかない見通し。成形後の検査や後加工まで自動化を目指し廃プラ処理にも傾注しているが、新卒・キャリア絶対数が不足したまま。これまで新型成形機や小型ロボット、カメラ技術を導入するなど前期連結11.2%増収(直前期12.1%増)と10年ぶりピーク更新。現在、米中対立を踏まえ自重しているものの、年明け採算の改善も見込まれ上方修正を期待できる。前期末株主数が倍増した模様で早耳筋もしたたかだ。同社がマキタ(6586)と取引を開始して半世紀。最大のビジネスチャンスを迎えた。電動工具の充電式製品群拡充、エンジンから充電、コードレス化の切り替え急ピッチ。直近コードレス化推定45%といわれ、市場が電動工具の倍というOPE(園芸機器)同10%。マキタが連結最高益で折り返したのも手掛かりだ。マキタとの取引が国内推定4分の1、中国同全量とみられインパクトが大きい。自動車部品もトヨタグループが大半で高水準。国内と中国子会社そろってフル稼働となり2011年立ち上げたタイ子会社(前期連結営業損失1億1900万円)が出遅れた。今期、売上高6億円を見込み採算も大幅に改善する。タイは2010年から人口オーナス期に入り頭打ちに見えるが、マキタの根強い地盤があり、コードレス化をきっかけに巻き返す公算が大きい。タイ子会社の敷地が中国に匹敵し、アセアン10ヵ国ほかインド中心に南西アジアも視野に入った。チャイナ・プラスワンの拠点で粘りにねばっている。17~18日、パプアニューギニアのAPECで米中対立が目立つ中、アジア太平洋地域を世界の成長センターとして米中大掛かりなインフラ投資に含みを持たせた。参加する21の国と地域が対象だけに同社にも跳ね返る。1962年の創業来、良い考え(合理化の追求)、良い商品(信頼性の重視)、良い職場(人間性の尊重)一徹。ヒト、モノ、カネ。限度あるものを最高に活かすのが事業という。
2019年8月期(連結)は、売上高85億円(8.4%増)、営業利益1億8000万円(89.5%増)、経常利益2億円(65.3%増)、純利益1億4000万円(233.3%増)の見通し。2円増配し9円配当(期末6円)の予定。設備投資2億5000万円(前期4億6000万円)の計画。活気が戻ってきた。会社は運気上昇中で来年一段と好転。杉浦社長(51)が中国子会社と同運で慎重に物事を運ぶ場面。タイ子会社は来年上振れと出ている。受注増に呼応し設備増強が焦点。それも、省力・自動化と廃プラ処理の二段構え。グループ592人(前期末)総動員して取引先の期待にこたえるという。米中対立が懸念されるが、マキタ同様ブレないのが真骨頂。今期乗り切ると来期以降様変わり。100年に一度、またとないチャンスがやってきた。