来年一段と強運 カネソウ 10月11日 (2018.10.10)
次第に持ち直す見込み
EXジョイントが締まると本物
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カネソウ(5979)は反転。次第に持ち直す見込み。後半にかかってきた。例年需要期を迎えるためで、前期底入れを1Qに持ち越し材料高の吸収不十分。販管費の改善も進むとみられ通期増収増益の見通し。EXジョイント免震構造建築用が性能指標A種の確認を目的に2、3次元振動台のほか追加投入し3基稼働。免震製品の特性上必要になる開発段階の挙動確認、振動試験から得た知見が製品開発に活かされ、個別案件の対応を高める一方、高機能・高性能製品のつくり込みに踏み切ったという。可動時に開口しないより安全な壁部、床部免震ジョイントも新たな手掛かり。想定最大許容残留高位50㎜に対応し、一般社団法人日本免震構造協会が定める性能指標A種に該当する。さらに、ステンレス製ノンスリップタイプ蓋(クリーンピット)やステンレス製グレーチング・プロジェクション溶接機増設も支援材料。2022年(創業100周年)を境に次の100年を巡る架け橋と考えられ、名誉会長に会長が育てた現経営陣と近藤社長(62)就任10年の仕込みによるもの。米中貿易戦争や新興国通貨安、原油高に世界的スケールで伝えられる天災など加味すると、無事100周年を迎えるだけで価値があるという。出来高ベースの推計によると、2018年度の建設投資57兆1700億円(2.1%増)の見通し。リーマンショック直後42兆円に落ち込み36.1%戻したが、1992年84兆円をピークに68.0%の水準。このところ東京五輪やリニア、都市再開発、一連の天災もあり需要増に違いないが、人手不足や物流、資材の値上がりが目立ち制約要因も多い。万一100%戻しても市場の構造変化や物理的要因から昔に戻らないという。10月10日の時価総額68億円(前期末純資産136億円)にとどまり明らかに割安。無借金で配当利回り3.1%。バブル崩壊29年(リーマン10年)をしのぎ粒寄りの存在だ。ルーフドレン(排水口)で業界ナンバーワンといわれる。フロアーハッチやステンレス製グレーチング、マンホール鉄蓋などシェアの高い製品にも見どころ。鋳物が東の川口、西の桑名と語り継がれ桑名で指折り。ひところ200を超えた工場が直近30社レベル。数年後、さらに絞られる公算が大きい。
2019年3月期(非連結)は、売上高77億円(3.8%増)、営業利益3億7000万円(40.9%増)、経常利益3億3000万円(45.3%増)、純利益2億2600万円(56.1%増)の見通し。配当150円(中間75円)の予定。設備投資3億8900万円(前期3億3400万円)の計画。償却2億9200万円(同2億8200万円)を上回っている。鋳鉄器材19億4000万円(2.6%増)、スチール機材13億4000万円(3.3%増)、製作金物38億2000万円(5.6%増)を見込み軸足が決まってきた。ピークに1割占めたEXジョイント免震構造建築用が締まると本物。このままで収まらない。来年、一段と強運。数年続くだけにビジネスチャンス。近藤社長は来年後半じわり好転。長い上り坂が見える。後半の仕込みがものをいいそうだ。