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企業レポート

慎重だが予想以上 セリア 2012年1月5日 (2012.01.04)

市場拡大し青天井相場

国内収束型でダイソーと対極

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セリア(2782・JQ)は好調。3期連続ピーク更新の見込み。3、4Q慎重だが予想以上とみられ、3度目の修正発表も考えられる。昨年8月3日、10月26日の上方修正が手掛かり。前半6・6%伸びた直営既存店を後半0・4%に落としているためだ。11、12月一服としても、依然平均2、3%台の高い伸び。出店も厳選し前半計画通り35、後半35を30に絞るという。トップのダイソーが海外拡散型なら、2位の同社は国内収束型で対極の印象。むしろ、リーマンショックを奇貨に震災、原発事故、円高などビジネスチャンス。すっかりデフレを味方につけた。景気後退を受けて顧客が価値以上の品を求め、それにこたえたのがきっかけ。顧客が喜んだ分増収に跳ね返っている。徹底して100円均一にこだわり、3年前からお洒落な新業態「カラーザデイズ」浸透。昨年9月末1063店舗(FC107)のうち208を占め、今後の出店カラーザデイズ一色。アイテムはひところ2万5000が直近1万8000に締まり、店頭で全国の声を集約した新商品を延べメーカー180社と共同開発。大手が増えているという。徹底した品質管理とコストダウンによって価値以上のものを100円に仕上げるわけだ。最近中国製6割、日本製4割という。08年度にキャンドゥを抜き2位。トップのダイソーが前3月期3411億円、国内2620・海外26カ国587店舗で独走しているが、直近2期規模より質の展開。歩留まりが一段と好転している。ちなみに、2Q累計営業利益率7・9%と最高。経営資源を得意分野に集中。今期を含め3期、品質改善、オペレーション、収益管理の再構築に取り組むという。ダイソーが1991年催事販売から独立した100円ショップ1号店を立ち上げ20年。業界は百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグなど既存の業態を抜け出し、巷間5000億円といわれる市場をつくり出した。これまでに仕込みが終わり、今後10年事業確立期。1兆円はおろか3兆円市場も考えられ、特許切れの新薬をジェネリックで追っかけるイメージ。同社の場合、3年がかり事業再構築にかかっている。

2012年3月期(非連結)は、売上高930億円(11・5%増)、営業利益70億円(38%増)、経常利益同(同)、純益37億円(60%増)の見通し。500円増配し期末3000円配当の予定。3Q発表(2月3日の予定)が注目される。基本に忠実で、販売分析に伴い確率の高い新商品導入、アイテム数8%にとどまるPB商品を10%に引き上げる。次期の直営出店70~80の見込み。いつの間にか売上高1000億円、2000億円というステップ。大台替えで行き過ぎ調整もあるが、青天井相場に変わりない。発会42万6000円で引け、国内のほか海外もで追い風。世界一厳しい日本の消費者がカラーザデイズを受け入れている。2015年(創業30年)が次の節目。今年、来年調整運だが、落ち込むと考えにくい。

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