証券ビュー

森羅万象

理外の理 日柄も人気の片寄りもある (2018.09.10)

昭和の風林史(昭和五七年八月十八日掲載分) 
小豆は三万円割れがある
輸大買いの小豆売りがご正解という日が近い。
人気にまどわされては相場は取れん。
シカゴが下げても穀取輸入大豆は
左程敏感に反応しなくなったのは、
市場内部要因と円安。
それにシカゴとの大逆ザヤで
下げ余地ない値に
とどいている証拠である。
テクニカルな面で今の輸入大豆は
買いの一手である。
上げ足がつくと非常に速いテンポの
鋭角的急伸態勢に移るだろう。
証拠金関係で小豆の倍いける輸大だけに、
ここは思い切って買っても大丈夫だ。
上げ足がついてから飛び乗る手もある。
結構それで間に合うしS高も取れよう。
逆に小豆はこれから下だ。
三万一千円底などと楽観していると、
三万円割れ(先限)に素通りするだろう。
線型は勿論悪い。
作柄も九分作から平年作のあいだぐらいだし、
作付け面積もふえているようだ。
そして天気も騒ぐほど悪くない。
八月11、12日に飛びつき買いした玉が
投げに入るところ。
先限三万円割れなんて、
そんな馬鹿なと思っている人ばかりだと思う。
ところが、それがあるのだから、
まあ見ているがよい。
あとから気のつくテンカン病(やまい)。
小豆売りと、輸大買いと、
どっちが投機の効率がよいか。
輸大の五百丁幅、小豆の千五百丁幅。
どちらもそのぐらいは目先あるだろう。
とすれば同じ証拠金で
倍いける輸大買いが早道である。
相場というものは極限に達すると
理外の理のはたらきをする。
極限とは値段の極限もあれば
日柄もあるし人気の片寄りもある。
また逆ザヤもそうだし、
取り組みでもいえるわけだ。
●編集部註
 輸入大豆は消費地市場で
小豆相場は生産地市場なので、
風林火山のロジックに矛盾はない。
ただ、消費地市場は
為替要因が重要になってくる。
 経企庁の年次世界経済報告を見ると
米国はこの頃景気後退期なのだが、
高金利から市場はドル買いが優勢だった。
これは当時のドル指数の
動きを見るとよくわかる。
綺麗な上昇トレンドになっている。
 ドルが高いと、
ドル建て商品の価格は安くなる。
ドル高の流れに反比例するように、
シカゴ大豆の週足は
綺麗な下降トレンドになっている。
 ドル高は米国の輸出に
とってマイナス材料。
更にこの頃のドル高で
輸出の減少傾向に拍車がかかり、
これが米国景気の悪化要因に働いていた。