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森羅万象

高値掴み用心 人気強けりゃ相場は下がる (2018.09.05)

昭和の風林史(昭和五七年八月十三日掲載分)
八月天井くれぐれ御用心
八月天井用心すべし。
高値、高値あれば売るべし。
人気強けりゃ相場は下がる。
小豆先限千七百四十円(大阪)は
六月3日の頭に対して
三分の二戻し地点。
節足新値六段上げでもある。
気の利いた人は買い玉利食いで、
盆休みに入った。
地獄の釜の蓋もあくのに、
それ買え、やれ買え、
安もんセールスマンだけが
盆というのにいきっていた。
漁師は漁を休んで殺生をしない。
供養である。
むやみやたらと
客に損ばかりさせたセールスは、
供養の気持があってもよい。
北海道は気温が下がっている。
作況のほうはとりどりばらばら。
良いわけではない。だから買った。
しかしここから
新規買って先限三万三千円など
無理な話だ。
取り組みにエネルギーがない。
需給に逼迫感がない。
東西取り組みが、
これ以上大きくならないということは、
限られた投機資金による奪い合いだから、
相場は燃えない。
昨年も、一昨年も、
その前の年も八月天井。
ここは嬶(かかあ)質入れて
買わんかい‼と
買ったところが皆天井。
納会がないから俵読みや
入船状況、現物の流れなどから
目がそれている。
庭の空いていた末端は、
仕手崩れのあと一巡安い現物を
手当てしたが、
それが売れたわけでない。
なにせ不順な天気の不況下で、
消費は伸びない。
輸入商社は上げ賛成だが、
適当に高ければ商売にかかる。
また、外貨枠も残っていることだ。
この先、産地の天気が悪くても、
それで相場が高いなら、
高いところ、高いところを
売っていくのが判りやすいと思う。
52年仕手崩れ相場は
八月1日~八月23日まで
四千五百五十円戻し。
日曜入れて22日間の戻しのあと
倍返しの大崩れ。
今回七月19日~八月11日が
23日上げで日柄面でほぼ一杯だ。
●編集部註
 夏は冷奴、冬は湯豆腐。
国内の大豆の需要はあるので
買いである―。
客先でそう粘って
注文を取ってきた猛者がいる、
という伝説を聞いた事がある。 
風林火山に言わせれば、
これは差し詰め
〝安もんセールスマン〟
なのであろうか。
そうであれば、小豆は無敵だ。
春はぼたもち、夏は宇治金時、
秋はおはぎ、冬は汁粉やぜんざいで
年中小豆の需要があるので買いだろう。
 
イキる〟という言葉は
ヤンキー漫画でよく出て来るので
「いきがる」のら略語かと思っていたが、
関西方言の模様。
「粋る」「意気る」と書き、
調子に乗る、という意味らしい。