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企業レポート

続伸の滑り出し NDS 8月8日 (2018.08.07)

経営統合に向けた助走 
ライフライン結びビジネス拡大
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 NDS(1956)は堅調。1Q連結続伸の滑り出し。経営統合に向けた助走とみられる。10月1日、NDS1株に対しコムシスHD(1721)2.07株を交付。業界再編に踏み切るもので、九州のSYSKEN(1933)と北陸電話工事(1989)も参加を表明。2020年5G(第5世代通信規格)を踏まえ、自動運転や電力無線伝送などポスト5Gも念頭にある。中長期固定通信の落ち込みに備える上で、発表の翌日(5月9日)協和エクシオ(1951)と日本電通(1931)、シーキューブ(1936)、西部電気工業(1937)の統合も明らかになった。NTT(9432)の東西にひきかえ、国内主要拠点隈なく通信のほか電気、ガス、水道などライフラインを結びビジネス拡大が見込まれる。同社はコムシスHDと20年来交流があり、施工や安全品質マネジメント、ITプラットホームの共有などでもシナジーの追求を図っていく。本格的な統合を前に2Qも気合が入っている。コムシスのほかエクシオグループもライバルになるためで、前回述べた「チャレンジ-2018」に掲げる4つの取り組みに傾注。連結売上高800億円、営業利益32億円(19年3月期)を掲げ実現を図る構えだ。1999年の分離・分割から20年、NTT(9432)のグループ再編に呼応した印象もある。NTT自体が新興ネット勢力に押しまくられ、最近「通信回線を提供するだけの存在」といわれる始末。大容量やスピードのほかコンテンツが市場を左右し、2030年代を想定した総務省肝入りの電波利用戦略案も織り込み済み。バーチャルなAIやロボット、IoT社会がひとり歩きしている。今回の経営統合がグループの強みをいかしたもので、リアルな社会貢献につながると相乗効果がついて回る。オハコの通信・電気にガス・水道までこなすとなれば、プラットホームの総延長拡大により処理できる案件も増えるはずだ。新年度を待たず、10月に立ち上げるのも小粋なもので時代を半歩先取り。前期から連結業績が好転しただけに異論も出なかったという。固定と移動体一連の大型通信インフラも出来上がり、IoT社会が広がる中でAIやコンテンツを提案するなど通信ビジネスも変わり始めた。
 2019年3月期(連結)は、売上高800億円(2.5%増)、営業利益32億円(13.0%減)、経常利益36億円(13.1%減)、純利益26億円(5.0%増)と計画通り。中間配当50円を据え置く予定。1Q総合エンジニアリングの受注153億2000万円(2.6%増)、ICTソリューション同56億7000万円(23.3%増)が手掛かり。計213億3900万円(7.9%増)。採算も改善しており2Q上方修正を期待できる。同社はNTTと同様に調整運だが、玉村社長(60)が来年から上昇運。コムシスHDの場合、今年起きることが数年後の幸運につながるという。米中貿易戦争と一線を画した世界だ。

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