証券ビュー

企業レポート

巻き返し始まる 日東工業 7月24日 (2018.07.23)

果敢な挑戦に見どころ 
中国・タイ・シンガポール結び第2幕
企業HPご案内   前回の企業レポート 
日東工業(6651)は巻き返し。1Q連結計画線上。通期2ケタ増益の見通し。前期修正計画を上回り、シンガポール連結子会社ののれん代16億4800万円一括償却。下期13年振り主力製品の値上げを控えているためだ。6月にパナソニック(6752)と配電盤事業等で包括的協業を検討開始。標準品のほか盤・コンポーネンツでも次世代のビジネスモデルに挑戦。六つの戦略テーマを逐一こなし始めた。対応型・標準品ビジネス、海外、新規を事業戦略に生産体制と経営管理基盤を強化するもの。前期、課題の抽出や戦術具体化、全体最適化など洗いざらい見直し、今期から3年で実行計画を軌道に乗せる構えだ。これまでの「誠実でひたむき」に果敢な挑戦が見どころ。トップ自ら「失敗してから考える」文化を投入した。専門にとどまらず幅広い視野が必要となり、日本と中国・タイ・シンガポールを結ぶ拠点が事業100年の架け橋。現在、設立70年を数え次の100年の仕込みとも受け取れる。コネクト(電気と情報をつなぐ)をテーマに第2幕が上がった。リーマンショック直後の連結売上高464億円(直前期589億円)から僅か5年後1098億円(営業利益138億円)が口火。サンテレホンの連結加入と太陽光発電関連の特需を主因に次世代のアドバルーンを物語るもの。その後、対応型・標準品ビジネスをコアに技術・提案力強化。海外と新規事業の育成が焦点になった。海外と新規が遅れた分新たなフロンティアとなり、1967年東名の名古屋インター東隣に工場新設。70年本社を移転し、74年菊川工場を立ち上げた当時と重なる旨前回述べた。10、20年後大化けした位相に並ぶもので、約50年ぶり2度目のビジネスチャンス。結果にこだわらず懸案解決に取り組んでいる。7月23日の時価総額903億円(前期末連結純資産830億円)。2015年5月2933円を高値に16年6月1183円まで押し半値戻した水準。7月30日1Q発表を予定しているが、期中起きることが数年後プラスにつながる社運。タイやシンガポールの事業拡大、高機能感震ブレーカー実証試験の活用、充電スタンド、戸建て宅配ボックスなど然り。期中目を離せない。日本のバブル崩壊、リーマン危機を克服して№1とオンリー1が残り、米中貿易摩擦のさなか世界レベルで決勝トーナメントが始まった印象。パナソニックと話がまとまるだけで大きなインパクトがある。中国、タイ、シンガポールに進出する日系企業や現地資本のインフラ整備に欠かせない配電盤事業(前期連結68.5%)が決め手。情報通信関連流通事業(同29.3%)、工事・サービス事業(同2.2%)との兼ね合いも魅力だ。
 2019年3月期(連結)は、売上高1120億円(3.6%増)、営業利益70億円(21.7%増)、経常利益69億円(22.7%増)、純利益42億円(45.7%増)の見通し。配当40円(中間20円)を据え置く予定。設備投資41億円1000万円(前期25億8800万円)の計画。新中期計画の連結売上高1250億円、営業利益100億円(2020年度)が巻き返しの目安。その後も面白い。M&Aや海外、新規事業などによるもので、7年後、世界や業界の力関係も一変する見通しだ。

>>購読ご案内