証券ビュー

企業レポート

大口受注を消化 名古屋電機 7月11日 (2018.07.10)

この上小口案件に傾注 
情報装置のほか検査装置が本格化
企業HPご案内   前回の企業レポート
  名古屋電機工業(6797)は復調。大幅に反転し高水準。流れが一変した。前期末の活況によるもので、新名神高速道路が全線開通。高槻~神戸JCT間40.5キロ等で情報板133面、速度規制標識79面。先行開通した京都区間から今回開通区間まで車両検知器60ヵ所、3ヵ所のSAと1ヵ所PAで休憩施設と混雑情報設備を含め久々に大口受注を消化。情報装置の売上高149億9400万円(10.0%増)を計上した。単価が下がっているため、ピーク(1997年度223億円)をしのぐボリュームという。検査装置25億3400万円(87.3%増)と合わせ先制のワンツーパンチ。採算も好転し13円配当(設立60周年3円)に踏み切った。事実、情報装置の受注高150億円と高水準。検査装置も37億3400万円にのぼり1Q一服の模様。昨年2月トップ人事に伴う新体制初年度がタイムリーに決まった。今年2月元代表取締役社長・服部正裕氏(享年70)をおくっただけに故人の期待にこたえた印象。復活に向けて1、2歩踏み出した。情報装置の場合、建設資格を持つ要員確保が急務という。検査装置では前期受注したICテストハンドラーの新製品「SAH-2400KR」が半導体メーカー向け145台。現在踊り場に違いないが、IoTのほかAIや自動運転支援など半導体チップの用途が拡大。米朝首脳会談や米中追加関税発動の影響が一巡すると、再びスーパーサイクルを蒸し返す公算が大きい。この上小口案件を育てる意向だが、中期第2幕も考えられ妙味大。情報装置が1966年を振り出しに半世紀主力だったのに対し、検査装置は1987年世界初のレーザー使用プリント配線基板が本格的なスタート。30年経過し3次元の基板外観・はんだ印刷やICチップ搬送装置など顧客ニーズに食い込んでいる。情報装置が官需だけに今後民需開拓の余地十分。10年スパンで提携先と取り組めば100億円も夢でない。昨年から株価の足取りを見ると、米SOX(フィラデルフィア半導体)指数と似ており、トップ交代後の10年につながる。リーマンショック後10年の調整をしのぎ復活をもたらすとみられ、会社が今年懸案を解決すると来年から運気好調。服部社長(41)も上昇運だけにパワーアップが見込まれる。東京支社を中央区の八丁掘から新川に引っ越したが、予想外のいい条件でまとまったという。
 2019年3月期(非連結)は、売上高173億円(1.3%減)、営業利益6億円(31.6%減)、経常利益6億3000万円(31.7%減)、純利益6億8000万円(30.6%減)の見通し。配当は記念3円を落とし期末10円の予定。新名神の特需が抜け肩の荷を下ろした。同社にとって多くの社員が携り、地図に残る仕事をしたことで「たくさんの方々が長きにわたり利用する設備の施工を通じて誇り・満足感」を味わった旨感慨深い。小口案件の取り込みに傾注するという。

>>購読ご案内