証券ビュー

企業レポート

前期から様変わり CKD 7月10日 (2018.07.09)

ピーク更新の見通し 
半導体チップ用途拡大が手掛かり
企業HPご案内   
前回の企業レポート
CKD(6407)は続伸。連結ピーク更新の見通し。前期から様変わりだ。国内外の半導体や自動化投資によるもので、昨年7、10月と今年1月上方修正。自ら設備投資に乗り出した。今期連結130億円(前期94億円)の計画。東北新工場82億円、中国新生産棟30億円など年内完工の運び。前期末の在庫347億円(45.1%増)が物語るもので明らかに積み増し。1月から新基幹システムを立ち上げ、年央に本格化したばかりだ。昨年一本調子で上昇した米SOX指数が年初来1327.31を高値に一服し踊り場入り。5月29日東京エレクトロン(8035)の発表した中期計画によると、半導体前工程製造装置の市場規模550~620億ドル(昨年420~450億ドル)に上振れ。6月12日米朝首脳会談、7月6日の米中追加関税発動を踏まえ、強弱感対立にかかわらず確り。市場の経済合理性によるものだ。IoTのほかマイニング(仮想通貨)、AI、自動運転支援など半導体チップの用途拡大。メモリー増産の一方、価格低下が需要を刺激している。1999年の半導体ブームがPC(パソコン)によるシリコンサイクル(買い替え)で3~5年だったのに対し空前の規模。2017年以降、一部でスーパーサイクルといわれる所以だ。6月5日WSTS(世界半導体市場統計)がマーケットを17年22%増、18年12%増にひきかえ19年4%増と発表。反動も考えられるが、20年が目安といわれる5G切り替え(次世代通信規格)を加味すると、あらゆる市場で半導体の需要がひっぱり凧となりビジネスチャンス。おのずと工場の省力化に拍車がかかる。このため、「世界のFAトータルサプライヤー」が同社の10年ビジョン。自動機械250億円(前期163億円)、機器1500億円(同994億円)、トータル1750億円(26年3月期)を視野。踊り場を前向きに受け入れ仕込みに入った。6月22日の総会で品質不正問題や中国情勢、航空機ビジネスなど質問を受け、品質を二重チェックしているほか中国や航空機にもポジティブな対応。リーマンショック10年で人心一新一皮むけた。2023(設立80周年)~33年にかけてもう一皮むける。食品包装のVパック初受注や包装機サービスなど自動機械の復活と電動事業の強化、IoT機器の対応など具体的な手掛かり。ダイバーシティ(多様な価値観の中で考え学ぶ)を目指し、本社正門前に円い社内託児所がオープン。10年ものにすると100周年。次の100年も見えてくる。
 2019年3月期(連結)は、売上高1220億円(5.4%増)、営業利益140億円(12.2%増)、経常利益同(12.3%増)、純利益98億円(7.2%増)の見通し。さらに3円増配し40円配当(中間20円)の予定。1Q計画線上にあり2Qから流動的。1ドル105円が基準レートだけに米中貿易戦争にも冷静だ。会社が16年から上昇運。梶本社長(61)も同運で、ネガティブなことが起きても年後半実現できる。7月6日の時価総額1179億円(前期末連結純資産800億円)2月1日3160円をつけ上場来高値を更新。東京エレクと同様収まらない。第2、3幕も考えられる。

>>購読ご案内