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企業レポート

逆回転を吸収 サンゲツ 7月3日 (2018.07.02)

第3の創業佳境入り 
海外事業の取り組みが将来の決め手
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サンゲツ(8130)は1Q連結確り。第3の創業佳境入り。3期ぶり増収増益の見通し。基盤整備3年、事業再構築2年目。逐一緒についた。連結対象が拡大する一方、初期費用が一巡するためで、住宅着工の落ち込みを吸収し事業拡大。今秋以降、新基幹システム稼働によりグループの営業活動が本格化する運びだ。創業1849年を振り出しに約100年、設立1953年から約60年を通じオーナー経営。2014年を境に社員が経営を担う真の上場企業を目指し第3の創業を表明。後半5年、ピッチが上がりそうだ。国内外グローバルな連携が見込まれ、打ち出した中期経営計画「PLG2019」(パーソナル・ローカル・グローバル)に意欲的。1人ひとりプロになって取引先と人間関係を築き、各地域、世界規模で多種多様なインテリアを提案。一連のインフラ集約に呼応するもので、昨年立ち上げた「サンゲツ壁紙デザインアワード」に10、20年後の息吹が漂っている。50年来閑古鳥が鳴く住宅展示場や、2017年度95万戸が30年度55万戸(野村総研) といわれる住宅着工と背中合わせ。逆回転を吸収するもので何ひとつ半端ない。6月22日の株主総会約1時間弱。質問が三つ出た模様で海外に集中。今期の計画によると、連結売上高225億5000万円(31.5%増)の見込み。営業赤字5億3000万円(のれん等償却前4億8000万円黒字)で問題ない。米国オハイオ州と中国上海、シンガポールに拠点を構えた。世界の壁紙事情によると、日本を含むアジアの規模が最も大きく、欧州、ロシア、米国の順。日本の場合、デザイン性より防カビ、消臭、防火など機能優先。海外のライフファッションを取り込むインテリアが望まれるという。江戸後期から襖や屏風、掛軸など尾張名古屋の御用達。全国でも指折り。10、20年後を嘱望される人材が続々立ち上がった。環太平洋事業体制といわれ、女性管理職課長以上11.4%。同係長以上32.9%。ワーキングマザー121人(女性社員の26.7%)。まさに、倜儻不羈(てきとうふき=才気にすぐれ独立心旺盛で常軌では律しがたい)。名実とも維新、戦後に次ぐ第3の創業。2014年から10年が目安だ。会社が強運で安田社長(68)と同運だけに現実的な場面で力量を発揮するという。直前期からファンドを通じて海外がスケールアップ。伝えられる親和性が何よりだ。
 2019年3月期(連結)は、売上高1640億円(4.9%増)、営業利益60億円(19.2%増)、経常利益66億円(15.8%増)、純利益46億円(1.9%増)の見通し。さらに増配し56円配当(中間28円)の予定。設備投資20億円(前期36億1500万円)の計画。インテリア1230億円(1.8%増)、エクステリア152億円(1.2%増)、照明器具36億5000万円(0.4%減)で脇を固めた。路線便運賃実施や自社配送便の増強、商品値上げなどインテリア事業の採算改善が主因。米国のほか中国やアセアンなど海外事業の取り組みが将来の決め手。米中貿易摩擦の影響をこなすと本物だ。

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