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企業レポート

足場固め反転待ち 一六堂 5月22日 (2018.05.21)

自分から流れをつくる
10月から八重洲口再開発具体化
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一六堂(3366)は調整一巡。反転の足場を固めた。6期ぶり増収増益の見通し。4月13日発表した連結子会社(3)の吸収合併が主因。M&Aによって06年19、08年17店舗等引き継ぎ再構築10年余り。賃貸や取引業者との信頼関係にめどがつき、6月1日一本化する見込みだ。前後するが、3月29日江戸川区の社員寮譲渡もタイムリーにマッチング。前期、受取補償金さえ計上している。2013年2月期100億円をピークに前期84億円まで落ち込んだ連結売上高が1Q回復。採算も好転し計画を上回っている。宴会や2次会等一回転減る中で品質、価格、サービスなど見直しに改善の積み重ね。去るべきが去り、残った仲間と紹介による人手不足解消に光明を見出した。リーマンショックから10年。東京五輪をはじめ築地市場の豊洲移転、リニア開業など控え、八重洲口再開発(6000億円)もカウントダウン。これまで約8割地権者の同意が得られ、10月から本組合により具体化。虎ノ門ヒルズ(255メートル)と同じ規模で3年後着工の見通し。本社(45坪)が含まれ、取得の経緯もしっくりしているだけに脱皮の公算大。数年後、様変わりになりそうだ。4月25日発表された外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)によると、3月の全体売上104.6%と19ヵ月連続前年を上回った。しかし、パブ・居酒屋97.5%と3ヵ月連続持ち出し。昨年の酒税法改正で行き過ぎた廉価販売が規制され撤退も響いた。同社はグループで激論を交わし、納得するまでやり合ったという。前期末66店舗(-3)。直前期-10で絞り切った印象。条件に見合う物件がなく、優良立地の既存店に経営資源を集中し出番待ちだ。その点、昨年3月山口県下関市に営業所を立ち上げ、のど黒の買参権取得に意欲的。いい感触が伝わってきた。大田市場をはじめ青果物の買参権で子会社柚屋(ゆずや)の成長も見逃せない。前期の連結売上高9億600万円(2.8%増)のうち外販76.8%。得意先が広がっている。肉や魚料理も野菜次第といわれ、商品卸売事業として一本立ちしそうだ。初代運の会社であり、新たな流れを自分からつくる。今年、これまでの苦労が報われると出ている。柚原社長(51)は一家一族のアンカー。チャレンジするのにうってつけの年という。2012年東証一部に指定替えされ6年。来年5月の改元を境に国内外情勢が一変する運び。目を離せなくなってきた。
2019年2月期(連結)は、売上高85億8800万円(1.8%増)、営業利益4億100万円(9.1%増)、経常利益5億100万円(7.1%増)、純利益2億7600万円(10.1%減)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資2億円(前期5500万円)の計画。出店に備えている。八重洲口再開発を踏まえ10、20年後が新たなテーマ。グループの社員(前期末183人)すべて社長の後継者とすれば合点がいく。人間の精神が失われ、人工知能が取って代わる時代の始まりといわれる。

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