証券ビュー

森羅万象

冷水を浴びせる値頃観は通用しない (2018.05.18)

昭和の風林史(昭和五七年五月七日掲載分)  
信ずる者は強し買い場だ
総弱気であるが、買い場だと信ずる。
信ずる者は強し、迷いなど微塵もない。
相場に値頃観無用。
値頃観は通用しないことは百も承知である。
だから今の小麦は安すぎる
という表現は使えないかもしれないが、
三万五千円、六千円の一割安、
三千五、六百円安は一ツの目途である。
昔から
二日新甫の月はよく荒れるといわれるが、
五月は四日新甫であるから、
荒れ方は、もっとひどいかもしれない。
そして新甫のS安は、
買い方をして震撼させた。
思いもよらぬ下げだったようだ。
思うのであるが、
このような値段になると
北海道の小豆作付け面積は、
恐らく増反になるまい。
それでは農業政策上困るわけだ。
しかも新甫は
産地定期をホクレンが売ったという事で
地合いを一気に悪くした。
一体これはどういうことか?
道庁も農水省も
鐘や太鼓で増反運動しているさなか、
ホクレンが
冷水を浴びせるようなことをしてはいかん。
市場は集中入荷。
在庫面からみた荷圧迫懸念。
小交易会。
買い主力筋の逆境などを囃して総弱気だ。
しかし、集中入荷といっても
先に発表された枠の中での入荷である。
騒ぐほうがおかしい。
騒ぐのは相場が騒がせているのである。
今月沢山入れば来月は減る。
いまは、弱気のトークが錦旗に思える。
だが相場というものは、
人が皆弱い時に売って儲かったためしはない。
三万一千円の小豆を売って銭になる
とは絶対に思えないから、
百万人といえど我れ行かん。
相場は気合いである。
S安にはS高で応えるのが礼儀であろう。
反騰、期して待つべし。
●編集部註
 実際、この年の5月の小豆相場は、
振幅幅はあれど上げトレンドである。
それを踏まえた上で、
これからの記事を読むと含蓄があるのではないか。
 さて先般、この年の5月に
シブがき隊がデビュ ーしたと書いた。
調べてみて驚いた。
同月、中森明菜もデビューしていた。
 1982年という年は
稲垣潤一や鳥羽一郎のような
今も第一線で活躍する歌手が
デビューした年であると同時に、
「明星」や「平凡」の表紙を飾るような、
所謂アイドル歌手の当たり年でもあった。
 この年の3月21日、
小泉今日子と堀ちえみ、
今は梨園の妻となった三田寛子がデビュー。
翌4月21日、
石川秀美、早見優がデビューしている。
 浮き沈みの激しい芸能界で、
昭和のアイドルの代名詞と言える人たちが
3カ月でこれだけデビューするのも珍しい。