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企業レポート

一度飛ばしそう 太陽化学 5月15日 (2018.05.15)

ピーク更新の見通し
マイクロ波新工場が新たな手掛かり
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太陽化学(2902)は確り。連結ピーク更新の見通し。一段と締まってきた。課題6項目の積み重ねによるもので、不採算製品見直しのほか原価改善(前期5%)、持分法収益拡大など顕在化。これまでの懸案が徐々に解決しフェアウェイに出た印象。一度飛ばしそうだ。食品大手の設備投資が伝えられるためで、4月18~21日「2018中部パック」(ポートメッセなごや)の入場者数ピーク更新。生産・包装機械ともにバブル崩壊以来の受注という。同社は、1952年国内初の食品用乳化剤を開発し加工食品の黒衣的存在。乾燥卵に濃縮果汁、チョコやアイスの乳化剤やゼリーの増粘安定剤など約2000品目。研究開発で知られ、他社のできないことに挑戦。子会社タイヨーラボが2015年消費者庁に登録したサンフェノンEGCgカプセル、サンテアニン200、テア眠など機能性表示食品でもお馴染みだ。ソフトパワーが伝わってくる。昨年3月、マイクロ波化学(大阪府吹田市)と共同で同社工場内に立ち上げた新工場が新たな手掛かり。マイクロ波により乳化剤の生産性を飛躍的に高めるもので、一旦稼働したものの目標に至らず。安定供給とコスト見直しからプロセス改善に取り組んでいる。ショ糖脂肪酸エステルといわれ、親水基ショ糖と親油基の食用油脂から得られる脂肪酸で構成される非イオン性界面活性剤。モノにすると、今~来期一度飛ばす公算が大きい。2016年の創立70周年(上場30年)が転機。内輪で祝ったというが、10年スパンのビジネスチャンス到来。同社の運勢を見ても、2018年心配ごとなく強運。後半より安定し上昇と出ている。5月14日の時価総額414億円。前期末の連結純資産377億円を上回った。割安感こそ後退したが、1990年につけた上場来高値3280円の半値戻し。2012年から本格的に取り組んだ6項目の課題が緒につき高値圏で頑強だ。市場の変化に対応、グローバル化、品質管理、環境対応、人材育成、業務改善に至るもので、原料から製品までトレーサビリティと外部分析機関による品質チェック。安心と安全のほか無事故にも意欲的だ。AIやIoTの時代になっても適応するのが狙いとみられる。
2019年3月期(連結)は、売上高410億円(6.0%増)、営業利益39億円(2.6%増)、経常利益同(2.3%増)、純利益26億円(0.6%増)の見通し。配当43円(中間10円)を据え置く予定。設備投資23億円(前期同)の計画。環境関連が大半を占める。ニュートリション(前期1.8%営業減益)、インターフェイスソリューション(同15.8%増益)、アグリフード(同18.2%増益)、料理飲食事業(同営業利益200万円)そろって目を離せない。数年来、小松精錬(3580)が地道な合理化努力で大幅増益となり、同社のケースと似ている。今後の展開が見ものだ。

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