証券ビュー

森羅万象

思惑が絡む アセンディング・トライアングル (2018.04.03)

昭和の風林史(昭和五七年三月十七日掲載分)
下げるために日柄を稼ぐ
目先は戻しそうに見えても、
盛りのよいところは売られて来週は、
また安いと思う。
小豆相場は、ここで戻せば判りやすい。
どれだけ戻せるかである。
強弱のほうは六本木筋がどうだ、こうだと、
まるで六本木筋が相場を支配しているふうだ。
小豆市場は、これだから小さい
と言われ敬遠されるわけだが、これが現実。
次期枠の予測に思惑が絡む。
ひと頃は、通常に発券されるかどうかが
強弱の焦点だったが、
通常で大型というところまできている。
大型といっても常識的には
二千二百五十万㌦見当でなかろうか。
取引員自己玉は買いが減った。
これは売られていた取り組みが
急落で利食いされたことを物語る。
あと、ドテン買い人気になれば
当然自己玉は売り建て増となる。
目先の相場としては
一ツの抵抗トレンドにぶつかっているから、
このあたりでジグザグするかもしれない。
また四千円割れ買いという指値の抵抗もある。
買い方にすれば、
ここから千円下はないという見方でないと
玉は維持できない。
罫線の横の目盛りから数えると
今週一杯は強含みの横ばいだろうと思う。
そして彼岸の三連休を迎えて、
来週から新たな展開を求める。
その時四千円を踏みはずして、
もう千丁安いか、
今週の横ばいを土台に
五千円近くまで戻すかだろう。
本当いうと、ここ両日は
来週に下げるための日柄稼ぎである。
弱気側にすれば、
ここは買うだけ買ってくれて、
またドスンとくるのを期待する。
強気は、売り込んでほしいと願うだろう。
●編集部註
 1981年の春頃から
1982年の春頃にかけての
小豆相場の値動きを俯瞰すると、
どうも3万 4000円の値位置に
一本の線を引く事が出来る。
 81年の春から初夏にかけて、
この線は上値抵抗線に、
同年6月に突破して以降
同年10月までは下値支持線になっていた。
 この線を割り込んだ相場は
81年12月から82年1月末にかけて
何度か突破を試みるが失敗。
しかし下値は切り上がり、
俗にいう「アセンディング・トライアングル」を形成。
これは目先の上昇を示唆する線形であった。
実際、この線を突破した相場は
2000円上昇する。
 この文章が掲載されている頃、
3万4000円の値位置は
重要なサポートラインになっていた。
恐らく買い方は、
前年6~10月の相場パターンを
想像していたと思われる。