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企業レポート

5期ぶり一服 矢作建設 3月13日 (2018.03.12)

新年度にも出番待ち 
名鉄名古屋駅開業以来の大型案件 
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 矢作建設工業(1870)は底堅い。連結計画線で推移。5期ぶり一服の見込みだ。2月5日3Q発表によるもので、耐震補強(3Q累計45.6%減)に不動産(同45.3%減)がブレーキ。主力の建築(同8.8%増)と土木(同22.3%増)がリードしている。年度末追い込み、新年度にも出番待ちだ。筆頭株主の名鉄(9048)が名古屋駅再開発計画をまとめ、間もなく1年。2022年度着工が見込まれるためで、カウントダウン。助走が伝わってくる。1941年同駅開業以来のプロジェクトで、2027年リニア開業(品川~名古屋)に呼応するもの。JR東海(9022)の傑作といわれる名古屋駅のタワーズ53・51階建て高層ビルが2002年「世界最大の駅ビル」としてギネスブックに登場。昨年4月同駅直結46階建てゲートタワー全面開業でJR東京・大阪駅を超えた。新駅のほかオフィスやデパート、ショッピングモールに2つのホテルなどJRが先手を打った。名鉄が明らかにしたイメージ画によると、横長で全長400メートル30階建て。高さ160~180メートル。地権者の名鉄、近鉄グループHD(9041)、三井不(8801)、日本生命を軸足にオフィス、商業施設、ホテル、住居などで構成。総工費2000億円が一人歩きしている。これから10年、同社が決定的役割を果たし、事業規模も連結売上高の倍以上で200%超の力が不可欠。このため、建築・土木ともに大規模工事の対応力強化に傾注。施工の省力・合理化に向けた技術開発やICT活用による生産性向上、品質管理の高度化。さらに、物流・エネルギー関連・維持補修等有望分野に注力。事業拡大と収益確保を目指すという。長時間労働の是正や安全で快適な就労環境の整備、協力会社を含め将来に向け技術者・技能労働者確保の取り組みも本格的になった。会社が名鉄と同運で注目の年。今年起きることが数年後の幸運につながるという。高柳社長(56)も上昇運。当初マイナスでも後半プラスになり挑戦の年と出ている。3月12日の時価総額357億円(3Q連結純資産439億円)。2014年に上放れ大もみ5年目。明らかに割安だ。
 2018年3月期(連結)は、売上高900億円(0.8%増)、営業利益60億円(21.1%減)、経常利益同(21.6%減)、純利益40億円(21.5%減)と従来通り。配当24円(期末12円)を据え置く予定。設備投資11億7000万円(前期34億9400万円)の計画。「デザインC」が定着し幅広い案件をこなしている。公共事業と一線を画した2003年から15年。ピタコラム(耐震補強外付け工法)が日本建築防災協会の技術評価を取得し、耐震性能の信頼が厚い。事実、07年の新潟中越沖地震にピタコラムで補強した柏崎市の中学校が難を免れた。その後、学校のほか自治体、病院などに広がり、あとにも先にも記録的な大型案件に出くわした。2012年4月に物故した元社長(享年58)が身を乗り出し見守ってぃる。

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