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企業レポート

グループ活性化 マキタ 3月9日 (2018.03.08)

OPEと充電式本格化 
国内独走世界2強キャッチアップ 
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  マキタ(6586)は好調。国内外予想を上回る推移。10年ぶりピーク更新が見込まれる。昨年10月25日、1月31日の上方修正によるもので、数量増と円安が主因。海外のインフラ、東京五輪やリニア、米国の長期金利上昇など新体制に風が吹いた。直近、生産台数3100万台(計画2730万台)、加重平均1ドル111円(同105円)が通期の目安。差し引き強含みだ。現場や技術面で人手不足という。来期の助走に入った。3Q連結累計16.0%増収、24.8%営業増益だけにオーバーランも考えられ、追って実体経済もゴルディロックス(適温)相場の反動が出る見通し。社運によると、今後1年安定し、来期に起きることが数年後の幸運につながる。後藤社長(42)と同会長(71)が同運で強運の1年。懸案が少しずつ解決し後半より安定。困難な場面でも手を抜くなと出ている。3Qまで日本12.9%増収、欧州19.3%増収、北米11.8%増収、アジア14.2%増収。その他も中近東・アフリカ14.8%減収を加味して16.3%増収。一見、非の打ちどころがない。連結営業利益率も16.7%(中間期16.6%)に上がり、トップ若返りがタイムリーに決まった。社長は電動工具だけで次の100年が困難なことを承知しており、草刈機やバリカン、チェンソーなどOPE(園芸工具)がフロンティア。世界の市場4兆円といわれ電動工具の倍。しかも、従来のエンジン式から充電式に転換期を迎え就任後最初の10年。前半5年が帰趨を握っている。今期OPE続伸(前期308億円)の見込みで、充電式が3割強とみられるだけに、このペースなら5年後500億円も考えられる。主力の電動工具がトータル4割にとどまり本格化。2005年リチウムイオン電池投入を口火に充電式の普及急ピッチ。電池のほかモーター、電子制御など品質改善に意欲的で価格競争でもリードしている。国内独走、世界2強(米スタンレー・ブラック&デッカー、独ボッシュ)猛迫に入った。現場と技術面で人手不足が解消すると2強をキャッチアップ。もう一皮むける。電動工具同様に2割のシェアを目指し、次の100年の足場ができそうだ。世界的な排ガス規制やコードレス、低騒音など支援材料。AIやロボット、IoT革命に適応できる提案が魅力だ。充電式のプラットホーム拡大につながり、ハンディクリーナー、ロボプロのヒットに続き1月発売されたインパクトドライバーも人気化。現場の声を反映するもので、地道な改善が受けている。
 2018年3月期(連結)は、売上高4670億円(12.5%増)、営業利益755億円(20.7%増)、経常利益775億円(19.7%増)、純利益535億円(19.5%増)に見直した。配当は期初1株を2株に分割し中間10円。期末連結配当性向30%を基準に決める。設備投資160億円(前期132億円)の計画。償却100億円(同89億円)、研究開発費110億円(同101億円)も予定通り。前回述べたように、充電製品の取り組み活発。一つ電池を持つと他の工具も使えるため、シリーズ拡大に弾み。連結1万6000人規模のグループが活性化している。何か起きると真っ先に販売店を支援。ぶれない経営に定評がある。

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