市場が一歩先取り アスカ 2月2日 (2018.02.01)
ハイテン加工に備える
海外拡販と国内再構築で乗り切る
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アスカ(7227)は好調。国内外フル稼働。2ケタ続伸の見通し。さらに2円増配を表明した。海外拡販と国内再構築によるもので、2012年インドネシア進出から5年有余。今夏本社工場跡地に3500トンプレス機が稼働する運び。自動車部品事業を集約しハイテン(高張力鋼板)加工に備える。車体軽量化と安全性の観点から採用増が見込まれ、17年3月インドネシア工場に3000トンのプレス機を1台投入。国内と二段構えだ。今後、三菱自(7211)のほかトヨタ(7203)や日産(7201)の受注拡大も予想され、仕込み急ピッチ。従来同社のプレス設備が最大1600トンといわれ、3000トンで引っ張り強度980㍋パスカルや同590㍋パスカル、月産36万個に驚いていられない。3500トンが国内初と聞いて胸が高鳴った。1台推定7億円。昨年2月マイナス金利に踏み切った日銀が天の時。何が何でもやれという。地の利、人の和で6年越しの設備投資が今期大詰めを迎える。2015年、片山社長(50)をトップに新体制が発足して3年。会長をはじめ旧経営陣が後押し。新年度、次世代のインフラに生まれ変わる。愛知県刈谷の本社工場に自動車部品を集約し、幸田工場(自動車部品)、豊田工場(ロボットシステム)、高浜工場(塗装設備を含む配電盤)トータルで収益構造が一変する見通し。大半借り入れで資金調達しているが心配ない。グループ一体となり、見直せ徹底的に即実行。そして、備えよ。挑戦などフロンティアが浸透している。通期の連結売上高予想によると、自動車部品170億円(108.2%)、配電盤25億円(104.9%)、ロボットシステム52億円(137.0%)、モータースポーツ12億円(99.4%)、その他1億円(226.1%)と確り。ハイテンをものにするとグループの底上げにつながる。同社はこれまで毎期2%賃上げに踏み切り従業員の士気が高い。今期から償却負担が大幅に増加するものの、海外拡販と国内再構築で吸収し乗り切る構えだ。10年というより20、30年先取りした投資で地についたもの。新体制10年(2025年)で次の幕が上がる。前期北米とインドネシア、中国を加味した海外売上高推定25億円とみられ、近い将来50億円程度見込まれるが、ゆくゆく海外が半分占める公算もある。三菱自が海外に強く、アジアで日産の追い上げも考えられるためだ。
2018年11月期(連結)は、売上高260億円(13.5%増)、営業利益9億円(34.2%増)、経常利益同(21.6%増)、純利益6億円(13.3%増)の見通し。配当20円(中間8円)の予定。前期8円増配した。設備投資26億円(前期54億2300万円)、償却13億5000万円(同9億7900万円)の計画。ざっと1割人手不足という、1年を通じて安定した時。今年起きることが数年後の幸せにつながる社運。社長も同運だけに動き出すと弾み。いい年になりそうだ。2月1日の時価総額71億円(前期末の連結純資産63億円)。市場が一歩リードしている。