証券ビュー

森羅万象

崩れようがない 官民総意の相場 (2018.01.30)

昭和の風林史(昭和五七年一月二十一日掲載分)
買い方は持久戦で待機中
崩れようがない。
押したところは買いたい人気である。
長い目で見ていくところ。
小豆の証拠金を下げてもよいのでないか
という声が多くなった。
冬山眠るが如き市場に対しての
焦りが出てくる。
証拠金の増減は各種規定もあるが
取引所の判断であり、
会員の意向が反映されて決まるものである。
商いが出来ないから
証拠金を下げるという考え方は定見がない
という人もあるが、
取引員としては、
商いがしやすいほうがよい。
まして穀物が主な取引員のセールスマンは、
小豆の証拠金引き下げを
千秋の思いで待っている。
相場のほうは
在庫がふえてくる傾向の時期だけに
押しても不自然でない。
下げたら買いたい人が多い。
一体どのあたりまで下げたらよいのか。
二千八百円あたりなら買いたい。
もう四千円は抜けないのか。
抜けない事もなかろうが、
支援材料がない。
よく買い方の顔ぶれがよいなどというが、
幾ら顔ぶれがよくても力がなければ
雛節句の人形である。
売り屋がいないということもいわれるが、
いないのではなく目に見えないだけである。
思うのであるが、
今の小豆相場は
長い目で見ていくところである。
その考えの骨組みは
次元の違うところで
操作されている輸入枠の調整と、
官民あげて相場を崩したくない
という総意であろう。
これは輸出する側の
中国も台湾も同じ考えだと思う。
そしてそのような現象を見て取って
肌で感じているのが相場師である。
だから今年の小豆相場には、
えたいの判らない投機資金が
流れ込んでくるだろうし、
安ければ幾らでも買いものが入る。
その事を相場が一番よく知っている。
●編集部註
 本文に〝証拠金の増減は
各種規定もあるが取引所の判断であり、
会員の意向が反映されて決まるもの〟
とある。
 賭け事と商品先物取引を同列で語ると
怒る人がいるかもしれないが、
オッズや掛け金の選定がダメダメな賭場に
未来がないように、
目先の意向に縛られて
相場を張る人の目線に立って
臨機応変に対応出来なかったツケを、
我々は今現在支払っているのかも知れない。
 ちょっと前まで、
TOCOMの注文方法は
アルファベットの羅列で最悪だった。
取引する者の事など考えぬ、
外国かぶれの取引経験の浅い
似非相場ヲタクが考えた
としか思えない酷い物だった。
 現在、少しずつ商品先物取引側が
〝お客様〟に向き合い始めている。
 注文もより明確になり、
限月なしの銘柄も登場。
相場自体も長期サイクルの観点では
大底を打ち新サイクルに入っている。 
未来は明るいと思う。