化ける公算大きい 大宝運輸 1月30日 (2018.01.29)
持ちこたえ光明見出す
何も起きないと上方修正確実に
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大宝運輸(9040)は正念場。3Q持ちこたえ4Q追い込み。自ら光明を見出した。積年の懸案を解決するもので、昨年9月4日愛知労働局長から長時間労働に伴う是正指導を受け、同10月末改善報告書を提出。一定の評価が得られた。代表取締役を中心に社内プロジェクト委員会を立ち上げ、一部取引解除、「荷待時間」の短縮要請、労働時間を日次で管理できるシステム構築など具体的に実現可能な諸策を断行。指導直後の10月に1ヵ月当たり100時間を超える時間外・休日労働を行った乗務職員ゼロ。やり切った。年末繁忙期を迎え深刻な人手不足を吸収しただけに、その後取り組みを継続し法令・改善告示基準を遵守。年度末を助走に新年度期待をもてる。昨年10月ヤマト運輸が宅配便の総量規制に踏み切り、基本運賃を27年ぶり引き上げたのが支援材料。西濃運輸も新年度に法人向け基本運賃を引き上げる模様で運転手の待遇改善に弾み。同社の荷主にも浸透しそうだ。このため、燃料費増、設備投資等に前向き。昨年10月31日通期予想を下方修正したが、一部取引解除とデジタルタコグラフ導入など織り込み済み。何も起きないと上振れ確実な情勢になった。前回述べた名古屋東南部丘陵地の物件取得が新たな手掛かり。1998年10月立ち上げた三好支店(従業員147人)に次ぐ戦略拠点を検討中。全日本トラック協会の景況感によると、7~9月期△12.7(4~6月期△19.2)、10~12月期△13.8と低調だが、今後政府の賃上げ要請と設備投資、運賃値上げが見込まれ、野菜高騰の影響からも来年10月消費税10%を見越した「好景気」が予想される一方、金利上昇や円高と綱引き。ナンバーワンよりオンリーワンに分がありそうだ。1月29日、同社の時価総額29億円(前期末の純資産58億円)。愛知労働局長の是正指導を僅か1ヵ月でこなした実力と戦略拠点投資の将来性から、2月1日の3Q発表をきっかけに化ける公算が大きい。昨年11月第33回文化祭を見送ったが、今年すべて見直し目的や内容について社員の代表で討議中。支店レベルでも幹部候補が育っている。直近まで事故7件(前期11)。むしろ、駐車場や構内事故、被害事故が多いという。10、20年無事故無欠勤乗務職員の家族旅行が印象的。平均年収もライバルのトランコム(9058)よりずっと多い。
2018年3月期(非連結)は、売上高82億円(5.8%減)、営業利益3億円(4.6%減)、経常利益同(11.6%減)、純利益1億7000万円(27%減)に見直した。配当は期末50円(昨年9月21日付で10株を1株に併合)の予定。