証券ビュー

森羅万象

節分天井すら押し 基調崩れない (2018.01.24)

昭和の風林史(昭和五七年一月十四日掲載分) 
押しはあっても崩れない
節分までは押しはあっても基調崩れはない。
節分からの下げも押しであるから弱気無用。
今の小豆相場は夏のお天気の事
は誰にも判らないが、
台湾小豆の輸入は着実に続く。
弱気している人のよりどころは
他ならず輸入成約→実需不振→在庫増→相場反落
というパターンである。
しかしこの考えは、
あまりにも平面的だし、常識的である。
第一、輸入がとぎれたら困る。
需給に見合った輸入は、絶対的条件であるから、
これを弱気するのがおかしい。
要するに考え方の次元のとらえかたである。
今は、
安かったら買いたい空気が支配している。
高かったら売ろうという人もあろうが、
それは三万五千円抜いてからの話。
先日も山梨商事の霜村社長と話していたのだが、
去年、三万七千円で本当は天井していて、
八千円台(先限)、九千円台(期近)は、
付けなくてよい高値を出した。
だから五百万㌦の追加や安徽問題や
三千七百五十万㌦が出て、
下げなくてもよい安値を出した。
三万七千円台で買い方が利食いして
天井を付けていたら、
下げて三万三千円止まりで、
いま頃は、
それこそ三万八千円、九千円の相場に
なっていただろう―と。
過去の凶作のあとの相場は
一月か二月に高値を出している。
今の相場は大型輸入枠ではあるが、
相場次元と違うところで
政策による調節が行なわれているから、
輸入小豆の洪水もなければ、
相場暴落というトレンド破れもない。
もちろん昨年春同様に押し目はある。
その押し目は買わなければならない。
今週の見方としては、
四千円抜くもよし、抜かずもよし。
節分頃までは上に行く相場だ。
五千三百円あたりから
千五百丁~二千丁押しを入れて、
三月節句に向けて春天井を取りに行き、
それからだろう
時間のかかるチンタラ下げは。
まだそれは先の話である。
●編集部註
 1929年の世界大恐慌が
起こる前日の相場とはどんなものであったか。
体験もしていなければ、
生まれてもいないので残念ながらわからない。
 ただ、リーマンショックしかり、
その前のパラジウム暴落しかり、
共通しているのは普通であったという事。
暴落は実にあっさりとやってくる。
思えば1999年の金暴騰の時もそうであった。
もう一つ共通している事があるとすれば、
議論が沸騰しているという点だろうか。
喧々諤々と強弱それぞれの意見が噴出する。
 そういう点から現在の株式相場を見ると、
まだ喧々諤々の噴出が足りないような気がする。
存外、まだ上がるのではないか。
何せ官製相場である。