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企業レポート

人手が足りない 中京医薬品 12月13日 (2017.12.12)

70周年節目に正念場  
業界再編受けビジネスチャンス 
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  中京医薬品(4558・JQ)は正念場。計画を下回る折り返し。3Q書き入れ時を迎えた。10月27日の下方修正によるもので、顧客の世代交代に対応しきれないのが現状。グループで新規開拓を行い、総顧客件数(推定25万世帯)こそ確保した模様だが、継続減少の埋め合わせが不十分で人手が足りないという。一方、全国66の営業拠点を通じて近隣後継者難の営業権売却が舞い込みビジネスチャンス。1、2具体化した様子で心配ない。江戸時代から300年以上続く配置(置き薬)業界が再編に包まれた。昨年に続き今年2件合併の噂が流れ流動的。従事者が3万人を超えた2003年から直近1万5000人台に半減。大手数社で最後まで残ったところが寡占に進みそうだ。同社の場合、19年(創業70周年)が目安。新中期経営計画(17年4月~19年3月)によるもので、10月に立ち上げたノーリツ鋼機(7744)傘下のハルメク・全国通販と業務提携がこの一環。前例のない訪販と通販の共同事業に早くもアタリ。創刊特集「100歳まで動ける体に」とメガネ型拡大鏡が人気という。4月に営業用タブレット端末を一新したのも新たな手掛かり。リアルタイムに商品販売や決済処理できるためで、ビッグデータやディープラーニングによりAIを支援。アプリ次第で精度が上がりそうだ。このほか、女性の採用が増加。新規の半分以上といわれ営業に意欲的。グループの代謝も活発になってきた。例年3Q 需要期で昨年並みと慎重だが、業界の新しいうねりが刺激となり、年度末にかけて次のステップも考えられる。10月7、8日の第8回はんだ山車まつりの成功が印象的。5年に1度市内10地区31の山車が半田市役所周辺特設会場に勢揃い。前日雨にひきかえ、当日絶好の好天に恵まれ主催者調べ55万人(前回53万人)、来場者が2日で同市人口の5倍にのぼった。実行委員会会長が山田社長(72)。2000人のボランティアに支えられ、見事無事終了し責任を果たした。半田市が旧尾張藩、犬山城主成瀬氏、寺社の領地だった経緯から全国有数の祭りとして知られるようになった。今、来期いい影響を与えるに違いない。
 2018年3月期(非連結)は、売上高61億円(4.0%増)、営業利益1億3000万円(13.6%増)、経常利益1億4500万円(8.9%増)、純利益5500万円(12.3%増)と従来通り。配当5円(期末2.5円)を据え置く予定。設備投資3000万円(前期1億5400万円)の計画。ミネラルウォーター宅配市場の拡大を受けて売水事業の黒字定着。主力の家庭医薬品等販売事業で小売、卸売ともに正念場。持ちこたえるとリターンも大きい。会社は18年順調と出ている。社長が18~20年調整運で大所高所のご意見番。3、4Q来期の助走としても70周年が節目。300年以上続く配置薬を受け継ぎ、なくなるはずがない正念場に差し掛かった。

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