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森羅万象

実勢遊離 思惑が裏目に (2017.12.05)

昭和の風林史(昭和五四年十一月二八日掲載分) 
精糖とゴム売り 輸大と小豆を買う
12月相場は輸大も買い小豆も買うが、
ゴムと砂糖は売る―
という方針、考え方でよいと思う。
「暁の雲いくながれ鶴の空 青蕪」 
精糖納会は予想通り暴落した。海外も安い。
ただ円が二百五十円台に売られているが、
輸入商品下落の歯止めになっている格好だ。
精糖はI商社の買い思惑が裏目に出た。
国内実勢を無視して、
外糖高を理想買いした反動である。
相場としては、10月中の棒立ち。
そして11月新ポの天井打ち。
その後の実勢遊離。ジリ貧。
上げ幅に対する三分の一下げ
という先限引き継ぎ線である。
この事は、
外糖高と円安に支援されていた精糖だが、
実勢にそぐわない事。
買い仕手I商社は、いささか強引で無理をした。
大衆は高値を買い付いた。
上昇日柄を食い過ぎている。
線型が非常に重くなっている―。
従って、
先限引き継ぎで半値押しの二百九円(大阪)は、
ジリ貧で12月中に付けるだろう。
これに似た動きがゴム相場である。
ゴム相場も、
下げに対しての抵抗を見せているが、
円安、オペック原油値上げ等も、
いまや相場に織り込まれ、商社筋の産地手当、
定期市場売りヘッジの行動が活発である。
取組内部要因も、大衆筋は当初買い→利食い→
売り慕い→踏み上げ
という起伏にとんだ流れであったが、
やはりこの段階にくると、
商社の売リヘッジ増大が、
この相場の上値限界を見せているようだ。
ゴムは、すでに先行商品としての
上昇サイクルの終末に来ていると思う。
ところで輸入大豆はどうなのか。
穀物は、遅行商品である。
その中でも
反応がまったくなかったのが小豆であり、
やや反応しているのが大豆である。
先行商品の最たるものは、
金、銀、銅であった。
そしてゴム、羊毛、砂糖と続いて、
金銀銅は頭打ち。
ゴムも砂糖も遅れて頭を打った流れである。
先行商品や、そのあとを追う商品が
上昇期にあるあいだ、
穀物は逆に下降していた。
そして先行商品と、そのあとを追う商品が
反落に転ずるや穀物(大豆)が上昇期に入った。
その限りでは小豆も11月底である。
輸入大豆は、師走相場の花形になるであろう。
国内需給見通しから言っても、
このあたりで納まる値段ではない。
小豆も、商いが薄いから投機家の食指は動かぬが、
11月20日の安値で底が入ったと思う。
輸大も買い小豆も買う。
●編集部註
 確かに、大豆相場は師走相場の花形となった。
 ただし、相場には買い方もいれば売り方もいる。
 ここから2カ月、この相場は
両陣営に平等に花道を作ってくれた。