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企業レポート

数年後ピーク更新 マルサンアイ 12月6日 (2017.12.05)

豆乳新工場が手掛かり
連結売上高300億円打ち出す
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マルサンアイ(2551)は好調。今、来期仕込み続行。数年後ピーク更新の見通し。前期立ち上げた豆乳新工場(連結子会社マルサン鳥取)によるもので、当初10月から7月に繰り上がり何と6月稼働。タイムリーに需要期をとらえた。しかし、8月2日の上方修正に対し数量未達。製造と物流コストが予想を上回り11月2日下方修正。それでも当初計画を大幅に上回り好スタートとみられる。新工場が昨年1月日銀のマイナス金利導入発表後の案件。それも、ロケーション抜群の鳥取で三方よし。たちまち60億円調達し17億円追加するなど機転が利いた。19年夏頃稼働予定で現行年2万5000klから倍増。グループトータル15万klとなりシェア(2016年推定18.6%)も上がりそうだ。償却が今期13億6800万円、来期13億円レベルで利益を圧迫し、21年9月期以降ピーク更新が続く運び。日本の豆乳消費量が1人当たり年2.9ℓにとどまり、海外の伸びも見込まれるためだ。同社は中期計画で5つの基盤・3つの財務強化を通じ連結売上高300億円(2023年)を打ち出した。マルサン鳥取の10、20年後が新たな手掛かり。ものにすると、グループ500億円も夢ではない。11月20日ライセンス契約を解除した「アーモンド ブリーズ」と3年のつき合いで第3のミルクに光明を見出し、モンドセレクションで3年連続金賞の豆乳グルトが前期5億6100万円(61.7%増)に駒を進めた。さらに、9月発売した液状みそにアタリ。生や調理、即席みそにない食感が受けている。開発に4年、おいしさと鮮度をボトルキープできるところがミソ。とろける味噌と甘味噌たれ2種類、業界初めて売り出した。みその種類別出荷数量によると、2000年計50万4465トンに対し16年同41万4689トン。17.8%減とじり貧。海外で和食が見直されているだけに、ヒットすると定番になりそうだ。一方、豆乳等の出荷量によると、2000年5万3676トンに対し16年31万271トン。5.78倍に伸びた。17年1~3月3.5%増、4~6月8.1%増、7~9月10.1%増と続伸している。12月5日の時価総額約86億円。前期末の連結純資産が同42億円で市場の評価も高い。16年3月5株を1株に併合しており、05年の上場来高値810円(換算値4050円)に指呼の間。今、来期正念場と考えられる。
 2018年9月期(連結)は、売上高257億6900万円(1.7%増)、営業利益4億6000万円(35.2%減)、経常利益4億4400万円(51.8%減)、純利益7億3300万円(77.4%増)の見通し。配当は期末30円の予定。設備投資7億2500万円(前期51億800万円)の計画。1年を通じて安定した時といわれ、渡辺社長(61)が19年から上昇運だけにあっという間の1年。10年後を左右するとみられる。マルコメやキッコーマンにない挑戦者のポジションに見どころ。鳥取の豆乳新工場稼働からドラマチックな展開が始まった。三方よしが何よりの支援材料。1Q発表(前期2月2日)が楽しみだ。

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