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企業レポート

前中期計画が呼び水 CKD 11月29日 (2017.11.28)

受注に生産追いつかず 
半導体向けの設備投資急ピッチ 
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CKD(6407)は活況。受注に生産が追いつかない状態。前期から半導体中心に猛烈なアタリがきている。7月28日と10月30日の上方修正によるもので、慎重だけに予想以上。後半も期待をもてる。米SOX指数を見ると、約4年のシリコンサイクルに対し、18年振りスーパーサイクル(ITバブル)とも考えられ、7月から1ドル110円(当初105円)に引き直し前向きな対応。設備投資を114億円(同94億円)に積み増した。東京エレク(8035)の設備投資と研究開発費が今期1500億円(4割増)といわれ、IoT革命を巡る省力化投資が世界規模で急ピッチ。同社も先頭集団に入っている。2Q連結累計26.3%増収、40.8%営業増益、45.4%経常増益、52.4%増益の折り返し。海外連結子会社(5)決算期変更の影響を勘案しても区間新。自動機械がジェネリックの大型投資一巡で一服する一方、機器は微細化や3Dメモリ投資を受けて半導体製造装置、工作機械、FPD製造装置向けに続伸。海外も半導体の設備投資に沸く韓国、情報通信機器や二次電池・自動化ニーズの強い中国向けが高い伸び。このため、前期立ち上げた新中期計画の連結売上高1000億円、営業利益100億円(2019年3月期)を射程圏にとらえた。世界のFAトータルサプライヤーを目指すもので、グローバル化を盛り込んだ前3期延べ182億円の設備投資と91億円の研究開発費が呼び水。前回述べた新基幹システムSAPが来年1月から財務のほか管理会計、業務系(販売・購買・生産・在庫)に広がり本格化。10、20年先を見越した矢先にビジネスチャンスがやってきた。足もとで春日井工場生産増強(20億円)、東北新工場(65億円)、中国工場新生産棟(20億6000万円)、本社隣接の託児所(3億7000万円)など進行中。2018年、社運堅調で挑戦したことが軌道に乗るという。梶本社長(61)も同運だけに加速しそうだ。11月28日の時価総額約1768億円(2Q連結純資産同756億円)。米SOX指数並みに上がってきた。07年3月期の連結ピークに液晶バックライト300億円が入っていたことを考えると、今後シリコンサイクルはおろか、スーパーサイクルをこなすのが不可欠。それだけに、これから1年正念場。10、20年先取りするもので、2023年(設立80年)にかけてピーク更新が続きそうだ。国内で直近117兆円といわれる企業の内部留保が人手不足解消に自動化・省力化投資に向かうとみられる。同社が本命といえなくもない。
 2018年3月期(連結)は、売上高1100億円(17.0%増)、営業利益118億円(23.2%増)、経常利益同(20.8%増)、純利益83億円(19.3%増)に見直した。さらに4円増配し34円配当(期末17円)の予定。足もと好調で上振れの余地十分。半導体向け設備投資の急増を受けたもので、11月27日2730円をつけ上場来高値を更新した。中国増強に加え、海外拠点の強化に取り組み、10、20年後の仕込み。目標の海外売上高35%(2Q連結累計29.2%)に対し地道で着実なところがいい。

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