ピーク更新視野に ダイセキ 10月25日 (2017.10.24)
資源価格安定し復調
環境関連100%で社会貢献も
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ダイセキ(9793)は好調。予想以上の折り返し。ピーク更新が視野に入った。本体の復調によるもので、前期まで落ち込んだ資源価格の反転と安定が主因。円安やリサイクル製品価格の安定をもたらし、業界のシェアアップなど支援材料。中間期の連結たな卸資産が12.7%増加し順風にほかならない。10月16日発表された鉱工業生産指数(8月)によると、製造業の能力指数が94.3%と横ばいにかかわらず、稼働率指数103.4%(前月比)と堅調。昨年11月からじり高で後半延長上とみられる。鉱工業生産を動脈とすれば、同社は静脈に相当し意外なほど確り。この上、子会社環境ソリューション(1712)の3割増強・年130万トン体制に追加投資を踏まえ。本体の首都圏南新工場用地手当てが具体化すると、事業100年(2045年)にめど。社運こそこれから1年正念場と出ているが、絶好のポジションと考えられる。連結売上高700~800億円が射程圏に入った。このため、人材の育成が最大の課題という。AIやロボット、IoTによらず対面ビジネスによるもので、2025年の創業80周年(柱社長就任10年)が次のステップ。本社玄関前に創業者の記念植樹があり15年を数えるが、今回も手入れが行き届き清々しい印象。故人も喜んでいるに違いない。1995年の上場時約70億円だった売上高が20年余りで10倍のスケール。それも、2017年グループ全体で愛知環境賞において名古屋市長賞を受賞。第20回環境コミュニケーション大賞・環境報告書部門で優良賞を受賞。再生鉛に続き再生重油もJIS認定を取得した。国や自治体に多額の納税、雇用、設備投資など社会貢献も見逃せない。前期末39.7%になった外資の買い増しが続いている模様で、事業の性格から10年スパンの長期投資に向いている。5月25日の株主総会約1時間。前向きな質問が多く理解が深まったという。子会社で環境ソリューションに次ぎMCR(再生鉛)がダークホース。国内指折りで、今後原発廃炉に伴う鉛の需要が膨大なためだ。延べ30億円投入し精錬設備を一新。償却負担をこなす一方、人手が足りないという。市況にもよるが、中長期化ける公算が大きい。
2018年2月期(連結)は、売上高498億4000万円(12.6%増)、営業利益87億2000万円(22.4%増)、経常利益88億5000万円(同)、純利益55億円(33.0%増)に見直した。当初から2.1%増収、4.0%営業増益で期待をもてる。配当29円(中間14.50円)の予定。設備投資80億3000万円(前期36億6200万円)の計画。社長も会社と同運で打ち込んでいる。財運と後継者に恵まれるといわれ、環境関連100%のビジネスにふさわしい。10月11日に自社株212万を消却し、発行済株式総数4300万株になった。国内製造業の静脈を健全に保ち、資源リサイクルを全うするため、数年後大仕事を控えている