証券ビュー

企業レポート

調整一巡巻き返す スズケン    12月29日 (2011.12.28)

曲がり角にきた皆保険

体力がモノをいう2012、13年

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スズケン(9987)は調整一巡。3、4Q巻き返す見通し。徐々にバランスを取り戻した。11月4日の上方修正によるもので、未妥結仮納入28%が焦点。2012年の薬価改定を控え調査対象から除外されるためで、経済合理性に基づき総価から単品単価取引移行を説く卸業連合会(94社)の声明と一致。同連合会は2011年に設立70年を迎えたが、同時に画期的といわれた国民皆保険から50年。制度が曲がり角にきていることも事実で、リーマンショック、震災、円高などバブル崩壊につぐ経済大打撃で拍車。川上から川下まで回らなくなった。このため、現場の安心、安全がおぼつかず薬価基準の適正運営、総価取引の是正はじめ流通改革に傾注。遅ればせながら持ち直している。医療用医薬品のうち97%が卸経由。ジェネリックの一部3%がメーカー直販。次回6年に1度の同時改正で診療・介護報酬小幅引き上げが決まり、薬価引き下げをを勘案しても総医療費40兆円(今年度39兆円)を突破する見通し。業界挙げて2012、13年正念場になりそうだ。同社はクラヤ三星堂立ち上げまで30年トップ。現在3位だが、2012年80周年を迎え安定運。今後予想される非常事態に安心、安全を確保できれば返り咲きも考えられる。それには、医薬品卸売事業の営業黒字転換(2Q連結累計営業損失44億円)が先決で、医薬品製造(同営業利益10億円)、保険薬局(同)、医療関連サービス事業(同2億円)など周辺分野を拡大。医薬品製造、保険薬局の経営を通じて医薬品卸事業を軌道修正。規制緩和、混合医療に伴う医療関連サービスが伸びると90、100周年にふさわしい。

2012年3月期(連結)は、売上高1兆8420億円(5%増)、営業利益31億円(42%減)、経常利益182億円(9%減)、純益100億円(4%増)に見直した。配当は50円(期末25円)の予定。後半思ったより堅調で薬価改定も前回(6.5%引き下げ)並みで織り込み済み。4Q追い込みが注目される。12月5日宮城物流センター稼働。東北6県延べ1100億円の市場を切り盛りするもので、2012年に岡山が完成すると全国9物流センターとこれらを補完する8商品センター体制。国内の基盤インフラが出来上がる。06年10月、全国47都道府県にすべて営業拠点を持ちナショルホールセラーになって以来のこと。これまで3年、中国上海の合弁事業堅調。売上高350億円、利益10億円のレベル。2割成長という。10年、20年後の伏線になりそうだ。要するに、今回の新薬価制度と流通改革を踏まえ、単品単価取引シフト。2012、13年体力がモノをいいそうだ。28日2096円で引けたが、中間反騰が見込まれる。

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