ピーク更新の運び エイケン 10月17日 (2017.10.16)
20年振り50周年に沸く
フィルターのほかバーナーも好調企業
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エイケン工業(7265・JQ)は上振れ。ピーク更新目前。20年ぶりに沸いている。9月4日の上方修正によるもので、円安を追い風に輸出が予想以上。期末さらに上回る公算が大きい。25円配当(7円増配)を明らかにした。7月に約6億円投入した第8工場が完成。10月末稼働を踏まえ来期の助走。8月1日創業50周年を境に次の半世紀を先取りしている。10月10日925円をつけ、1999年の上場来高値1080円更新も視野に入った。昨年2月ヤマシンフィルタ(6240)と提携し、先方が9月4540円まで舞い上がっただけに当惑の印象。自動車をはじめ建機、農機、産機など市販フィルターで指折り。コインランドリー用バーナーが息を吹き返した上、300トン3次元トランファープレスによる金型・治工具・各種プレス部品など一貫生産。半世紀積み重ねた濾過技術が純正メーカーにも認められ、そちこちオファーの声がうかがえる。直近10年リーマンショック、東日本大震災を通じて地域貢献。雇用や設備投資、納税など人口3万余りの御前崎市、全面停止の中電浜岡原発、隣接自治体と折り合いをつけピーク更新の運び。09年就任し来年10年目を数える早馬社長(60)のリーダーシップによるものだ。第8工場本格稼働、ヤマシンとの提携も10年スパンで息の長い事業。前回述べた次世代のリーダー7人が8ヵ月の研修を終了。次のステップに入った。新卒採用や待遇改善にも意欲的でメイドインジャパン、円建て輸出にこだわり地元に溶け込んでいる。毎期純正メーカーの攻勢、ガソリンスタンド減少・セルフ化、新興国の割安な輸入品など逆風にさらされながら健闘。PIAAやVICなど高性能フィルター、大型車用でも巻き返している。2040年といわれる自動車のEV化も、蓄電池の性能や充電インフラ整備、環境保全と新たな電力確保が不可欠でガソリン車に対抗できると考えにくい。AIやIoTの時代に入るが、既存事業の改良、改善により移行期間が長くなりそうだ。3Q累計セグメントによると、フィルターの売上高39億900万円(11.8%増)、営業利益5億6700万円(35.0%増)に対し燃焼機器同2億7600万円(11.7%増)、同4300万円(44.5%増)と好調。後者が国内2万5000台といわれるコインランドリー急増で嬉しい悲鳴をあげ始めた。社運によると、今年漸く上昇運。やればやるほど天が味方するという。
2017年10月期(非連結)は、売上高56億3000万円(8.0%増)、営業利益4億7500万円(18.6%増)、経常利益5億200万円(18.1%増)、純利益3億5600万円(16.1%増)に見直した。期末25円配当(記念7円)の予定。設備投資8億円の計画。来期一服という。フィリピンをはじめ急伸したアジア向け輸出高水準。ロシアを含めヨーロッパに気をもんでいる。フィルターはオイルの老廃物を濾過し油圧制御に欠かせない。同社は純正メーカーが一目置き、ヤマシンとの交流も興味深い。10、20年後夢をもてる。