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企業レポート

2期振り巻き返し 岡谷鋼機 10月6日 (2017.10.05)

何も起きないと上振れ 
待ったなしのビジネスチャンス
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岡谷鋼機(7485)は巻き返し。2期振り連結ピークと肩を並べる折り返し。後半慎重だ。需要期にかかわらず万一に備えているためで、何も起きないと上振れ確実。一段と締まってきた。米国ほか中国や新興国の経済が持ち直し国内も回復基調。2Q累計鉄鋼が17.5%増収(38.9%営業増益)に驚いた。単価、数量揃って伸び、土木・建築に建機や自動車向け特殊鋼、北米輸出も予想以上。情報・電機17.3%増収(80.5%同増益)、産業資材9.4%増収(24.2%同増益)、生活産業5.0%増収(91.0%同増益)。トータル14.1%増収(40.8%同増益)で計画を上回った。取引を通じて北朝鮮の影響なしという。前期12.4%減収(32.3%同減益)で中期計画初年度を折り返し、事実上振り出しに戻した。国内の大規模な金融緩和に米中の景気対策が手掛かり。入社式の社長訓示でシリコンバレーに事務所開設、能行不退(決めたら最後までやり切る)、348年信用の積み重ねなど前向きなメッセージ。創業400年を身近に感じる。2016~18年の調整運をグループ全体で消化吸収している。7月南通虹岡鋳鋼(中国)が本格稼働、同竹中工務店と自律走行ロボット「TOギャザー」を共同開発、8月アイサンテクノロジー(4667)・ティアフォーと業務提携を発表するなど次世代の対応活発。ベンチャー企業支援や九州北部豪雨・メキシコ地震義援金等心配りもうかがえる。100年に1度といわれる過渡期。同社はゆうに3度体験し、常に次の手を打ってきた。ものつくりに貢献する「グローバル最適調達パートナー」が唯一のテーマ。何より1995年の上場から10年、オーナー経営からオープンな体質に転換する上で低収益に苦しんだのが次の10年の布石になった。事実、ピークの連結純利益128億8800万円(2016年2月期)に出ている。中期計画Gih-15によるもので、2015年度連結売上高1兆円・純利益100億円・海外取引30%超の計画に対し7854億円・128億円・31.6%。昨年3月31日発表したGih-2020で、20年度連結売上高1兆円・純利益200億円を打ち出し2期目半ば。成長市場、先端商品・技術への挑戦をはじめ6つの事業戦略に基くものだ。「樹齢」348年を数え、枯れるどころか繁ってきた印象。原油需給が比較的安定し、円安株高も支援材料。国内の需給ギャップが3四半期連続プラスで1.22になった。リーマンショック前2008年1~3月期(プラス1.47)以来9年振りという。
2018年2月期(連結)は、売上高8200億円(8.9%増)、営業利益160億円(10.6%増)、経常利益195億円(8.0%増)、純利益130億円(12.0%増)と従来通り。5円増配し180円配当(中間90円)の予定。設備投資34億円(前期34億1100万円)の計画。自動車と航空機2枚看板といわれる愛知県を足場に東京五輪とリニア開業(2027年)を視野に名古屋駅再開発も同時進行。待ったなしのビジネスチャンスだ。2016~18年調整運で仕込みの好機。社長(73)も同運だけに、後半何も起きないと一連のプロジェクトや新分野も走り出す。財と後継者に恵まれる社運。若手が伸び始めた。

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