次の展開に備える エイケン 12月22日 (2011.12.21)
この不況下で設備一新
稼働に伴い半年、1年後楽しみ
エイケン工業(7265・JQ)は踊り場。次の展開に備えるところ。今、来期正念場とみられる。直近3期リーマンショック、震災、原発事故など混乱を消化。鋼材高吸収、設備一新に取り組んでいるためで、今期一転減収減益の見通し。現時点で計算すると鋼材7000万円、償却負担増3000万円相当の減益要因。しかし、引き合いが増加している韓国車をはじめ円建て輸出が堅調。11、12月予想を上回り今後増収も考えられる。このため、すでに着工した本社工場設備更新に全力を挙げる。総工費8億円にのぼる見込みで塗装、プレス、梱包など一連の工程を内製化。12月に建屋が姿を見せ来年3月完成。4月稼働の見通し。1971年浜岡工場を立ち上げて以来40年ぶりの英断。積年の懸案が実現する。併行して高性能オイルフィルターはじめ大型車や二輪車用フィルター拡販。300トンプレス機械受注増、熱交換器やバーナー部品など燃焼機器の拡販も拍車がかかる。来年、再来年調整運だが比較的しっかり。この不況下で8億円投資できる歓びを顧客に伝えたいところだ。国内でボッシュの日本法人と月1000万円以上の取引。彼らも同社を認めている。海外でもフィリピン、スリランカ、ロシアで引っ張り凧。ファンが多い。
2012年10月期(非連結)は、売上高45億5000万円(4・5%減)、営業利益9600万円(62%減)、経常利益1億円(61%減)、純益5700万円(同)の見通し。配当は期末10円の予定。前期8月22日に上方修正。修正予想を上回っただけに踏ん張りどころ。輸出16億円(前期18億円)の計画。償却2億5000万円(同2億2100万円)程度。新設備稼働に伴い半年、1年後が楽しみだ。浜岡、御前崎を通じて唯一の上場企業。中電の浜岡原発が話題にのぼるが、周辺自治体で永久停止や再稼働を認めない議決、首長表明続出。しかし、同社の電力供給に問題ない。社運は2017年(50周年)に一度収束するが、早馬社長(54)が来年も上昇運。投資は成功とみられる。20日自社株買い6万株完了し出番待ちだ。